オーダーメイドのシャツがつくれる!浅草橋に誕生した〝小さな播州〟『Boon Life Base 蔵前店』!!

今回は2024年4月26日にオープンした播州産地のアンテナショップ『Boon Life Base 蔵前店』を訪問。浅草橋に新たな〝彩り〟を添える播州織の魅力に触れて来ました!

美しく透明感ある彩色
職人芸の集積・播州織の魅力

浅草橋は言わずと知れた都内有数の問屋街。江戸時代の昔から、東京のモノづくりを支えて来ました。街を見渡せば人形に革製品、アクセサリーパーツなどの専門点がずらり。ぶらりと進路を定めずに散策をしているだけで、不思議と楽しい気持ちになりますよね。

さて浅草橋の街歩きルートはいくつかありますが、次の機会には駅から蔵前の方に進路を取ってみても良いかもしれません。実は2024年4月、その方角にモノづくりの街・浅草橋に新たな〝彩り〟を添えるお店が誕生したばかりなんです。その名も『Boon Life Base 蔵前店』。兵庫県西脇市を中心とする播州産地のアンテナショップです。

〝播州織〟とは200年以上の歴史を誇る兵庫県を代表する地場産業のことで、糸に先に色を付けてから織り上げる〝先染め〟という手法が特徴です。先ほど、〝彩り〟という表現を用いましたが、これは比喩ではありません。論より証拠、『Boon Life Base 蔵前店』で売られている〝播州織〟のストールの写真をまずはご覧入れましょう。

どこか江戸切子を彷彿とさせる美しく透き通った色合いですよね。

このように、〝先染め〟の織物は別の色の糸を組み合わせてグラデーションに富んだ柄に仕上げることができる他、織り上げた状態で色を付ける〝後染め〟の織物と比べて耐久性が高いなど優れもの。さらに〝播州織〟のメッカ西脇市では街全体が〝播州工場〟と呼べるほど、家内工業による分業化が徹底。糸に色付けする染色から織物に仕上げる製織までの各工程に熟練の職人さんが携わっているとか。『Boon Life Base 蔵前店』で売られている〝播州織〟はまさに伝統に裏打ちされた職人芸の結晶というわけです。

ちなみに上記のストールは〝播州織〟のストールブランド『fabori』の逸品。派手過ぎず、全身のコーディネートに華やかなアクセントを加えることもあって、母の日のプレゼントとしても人気です。

他にも店内には〝播州織〟のアイテムがいっぱい。例えば、こちらの爽やかなフレンチワンピースは『Boon Life Base 蔵前店』の人気ナンバーワン商品。暑い今の季節に最適ですね。

さらに一風変わった商品がこちら。何でも倉庫に眠っていた60年以上前の〝播州織〟を再利用したSDGsなうちわ。柄が可愛くて、筆者も衝動買いしてしまいました。

編集長の伊勢は〝播州織〟のドレスシャツをオーダーメイド。はたしてどんな素敵なシャツが仕上がるのでしょうか。詳細は記事の最後で!

なぜ浅草橋に?
開店に込めた播州産地への愛

さて、ここで1つ気になることが。

「何故浅草橋の地に播州産地のアンテナショップがあるのだろう?」

そんな疑問を『Boon Life Base 蔵前店』を運営する『株式会社 播』の笹倉さんに投げかけてみました。

笹倉さんによれば、そもそも『株式会社 播』は播州織の生地メーカーとして、浅草橋に長らく東京出張所を構えていましたが、2023年3月に自社の縫製工場を地元西脇市に設立したことを機に自社ブランドの設立に踏み切ったそうです。折しも〝播州織〟は後継者不足が深刻な問題に。生産量も往時の30分の1に減少していました。

「――BtoBに留まらない新しい挑戦をしよう」

『Boon Life Base 蔵前店』のオープンは、〝播州織〟を取り巻く現状を打破するための攻めの一手だったということです。

一方で店内を見渡すと、ドッグフードやお菓子、レザー製品など織物に留まらない〝播州グッズ〟が充実しています。実はこのようなバラエティーに富んだ商品ラインナップには、『Boon Life Base 蔵前店』のもう1つの開店理由を隠されています。

それはズバリ、地元愛。「播州に恩返ししたい」「多くの方に播州を知ってもらいたい」という思いから、『Boon Life Base 蔵前店』では自社ブランドの製品に限らず、アンテナショップとして播州ゆかりの製品を委託販売中。笹倉さんから商品の説明を受けながら、『浅草橋を歩く。』編集部一同「播州に行ってみたい!」との思いを強くしました。

100種類上の生地の中から
シャツをオーダーメイド!

取材日から2週間後、いよいよ伊勢のオリジナル〝播州織シャツ〟が完成しました。

100種類以上の生地の中から、伊勢が選んだのは薄いピンク色!
こちらのシャツ、生地に椿油が柔軟剤代わりに浸透させてあり手触りバツグン。

シャツの生地だけではなくボタンの種類が豊富なのも嬉しいところ。数あるボタンの中から、伊勢は光沢に温かみある茶蝶貝ボタンを選んでいましたよ。

その他予算やデザインの希望に応じて、あなただけの特注。〝播州織シャツ〟を作ることができることが可能。「播州の知名度を上げたい」という思いから、価格も本来より安く抑えてられているので、シャツの新調を考えているビジネスマンの方は是非ともご検討を。カジュアルシャツの取り扱いもありますよ!

浅草橋に芽生えつつある
新たな地域間交流

浅草橋に生まれた〝小さな播州〟『Boon Life Base 蔵前店』。一方で笹倉さんによれば、「西脇市に浅草橋の魅力を伝えるお店を作りたい」とも語っており、新たな地域間交流の可能性を感じた今回の取材でした。播州にお店がオープンした暁には『浅草橋を歩く。』編集部も是非とも播州に出張取材をしたいですね!

文/及川(古書みつけ日替わり店主のひとり)
写真/伊勢新九朗

「Boon Life Base 蔵前店」
住所:〒111-0053 東京都台東区蔵前2-1-18 Am Flat 蔵前
営業時間:11:00〜19:00
定休日:月曜日

Boon Life Base 蔵前店 Instagram