洋食屋「食堂 ミズタニ」さんが7/31に閉店されるという話を聞いて、その閉幕を見届けに伊勢編集長、地元っ子のモトクニさんに連れられて3人でランチしてきました。
その最終日の様子をこの記事でレポートします。ぜひアーカイブとしてご覧いただければと思います。
お店に伺ったのはランチタイム前の11:30頃。
取材のため、お店が混み始める前に早めに来てみたところ店内は常連さんたちでほぼ満席。
12時を回る前にこんな感じで混んでいるのはいつものことだそうで、下町情緒があふれる場所は時間の流れが早いようで。我々3人はギリギリ滑り込む形で奥のテーブル席に座ることができました。
矢継ぎ早にやってくる常連さんの注文を受け、テキパキと準備する水谷ご夫婦。ご家族で連携してお店を切り盛りされている姿が印象的でした。
店内が満席でも大丈夫。店の外ではお弁当が売られており、こちらも多くの方が求めにいらしていました。最終日だから来られる人もいらっしゃってました。
店の看板や入り口の暖簾などなど、店内外のものがどれも長く使い込まれており、これは地元で長く続いている証拠だなー。
店内の壁にはとんねるずの『きたなシュラン』や、さまぁ~ずの『モヤモヤさまぁ~ず』などのテレビ取材で来た時の色紙が飾られていて、地元の方はもちろん、メディアで知って来られた方も多いのだろうなと。
「いつからやっているんですか?」とオーダーを取っていた娘さんに聞いたところ、今年でなんと創業55年だそう。昭和40年から続くまさに「老舗の」洋食屋さんですね。
お店を閉めることになったのは建物の老朽化が理由にあるようですが、キッカケはやはり新型コロナウイルス感染症の影響もあるようです。こういった地元に愛されているお店がなくなってしまうのは本当に残念です。
今日は悔いを残すことなく、老舗洋食屋さんの定食をいただきたいと思います!
目次
短冊状に並べられたメニューから定食を選ぶオールドスタイル
どれにしようか迷うなあ
定食はカウンターの上に短冊状に並べられたメニューから選びます。この色あせた感じがまたいいですよね。
いやーどれにしようか迷いますね!メニューの多い定食屋さんは定期的に通い詰めてメニューを制覇していきたいところなんですが、今日はどれを食べても最終日。
人気メニューである「ぶり照り焼き定食」と、ぱっと目についた「カニクリームコロッケ定食」、そして今日限定の「サンキュウカレー(お弁当)」を注文しました! カレーは地元っ子のモトクニさんはよく食べていたそうです。
この日は、最終日なので店内の定食メニューが全品感謝価格の700円でした。しっかりと味わいたいと思います。
どれも抜かりなく美味しい定食に満足!
最終日に来られて本当によかった
モトクニさんの浅草や浅草橋のジモトークを聞きながら待つこと10分、注文したメニューが到着!
まずはカニクリームコロッケ定食。
どうも最後に注文したのが私だったようで、カニクリームコロッケは3個用意するべきところ2個しかなく、代わりにカレーコロッケをつけてくださいました。
「ほんと申し訳ないです〜」と娘さん。いやいや、こういうコミュニケーションもいいじゃないですか。
俵形状というよりは小判のような形のカニクリームコロッケは、外側の薄い衣がサックサクで中はモッチリしていて、なんだか懐かしい味。おいしいです!
続いて、ブリの照焼定食。脂が乗ったブリはいい感じに焦げ目がついてて、これまた美味しそう。
とてもふっくらして柔らかく、箸で簡単に身を崩してお口にパクっといけます。味がしっかりついていて、ご飯にとてもよく合いました!
サンキュウカレーはチキンがホロホロによく煮込まれていて、これも美味しかったです。
ところで定食屋さんのご飯って量がやや多めで、定食のおかずだけではご飯が余りそうな時ってありますよね。頭の中でご飯の配分と、ご飯とおかずの割合をどんぶり勘定してもどうもおかしいぞ、と。
ミズタニさんも例外なくしっかりそうでした(いや、嬉しいんですよ!笑)
ということで納豆を追加注文。70円という価格がまた絶妙ですよね。
納豆は刻みネギのほか青のりがふりかけられていて、私は初めて食べる組み合わせでした。
青のりって納豆に合うのか!? と最初は思いましたが、食べてみたらこれが相性バツグンでして、個人的に大発見でした。納豆って普段は自宅で食べるものだから、こんな感じに外の定食で新しい価値観に触れられてよかったなー。
え、大げさでしょうか?笑
でも、街中の定食屋って、出会いがありますよね。ああこういう風に食べることもあるのかって。
付け合せのお手製ポテサラがこれまた美味しい。サイドメニューに抜かりないところも昭和から続く食堂のいいところじゃないですか。
いや、今日でお店はお終いだなんて、なんだか寂しいじゃないですか。実は私は初めて来たのに……!
ごちそうさまでした。
最後にお別れの挨拶を
お店は終わっちゃうけど、地元の絆は終わらない
さあ、お腹いっぱいになったところで、食堂ミズタニさんのランチ旅も終盤です。
定食700円なのに1000円札を渡し、「じゃ、また来るからよ!」と言って釣りは受け取らずに去っていく常連さんがまた粋でした。これぞ、江戸っ子流のサヨナラだ! pic.twitter.com/Yp1TyJOciq
— 「浅草橋を歩く。」編集部 (@asakusabashi_) July 31, 2020
こんな粋なお別れをしてくれる常連さんもいて、地元の方々に愛されていることを再認識。
なんとも惜しい気持ちですが、最後にお勘定して終わりしたいと思います。
別れ際に、ミズタニご主人と幼少期から来られているモトクニさんで少し会話を。
「お店は終わっちゃうけど、別に人が亡くなったんじゃないんだから」
そうそう、地元の絆はこれからも続いていきます。
改めて、ごちそうさまでした! 定食、どれも美味しかったです。
そして、55年間お疲れ様でした。
ちなみに、「浅草橋を歩く。」のYouTubeでは、最後の日の密着ドキュメント映像も配信中です。
看板猫のヒメちゃんの名シーンあり、モトクニと娘さんとのチャキチャキなかけあいあり、店主と奥さんの最後のコメントありと、永久保存版なムービーとなっています。
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文・撮影:カブレ佐藤