「浅草橋駅」から徒歩3分の場所に鎮座される「須賀神社」。
御創建は、推古天皇九年(600年)という歴史の長い古社です。
そんな須賀神社で、毎年5~6月ころに開催されるのが例大祭ですが、去年はコロナの影響で、御神輿の渡御が中止。
今年はお神輿や出し物などをやめ、ご祈祷のみの開催となりました。
おごそかな雰囲気で始まった例大祭
2021年5月29日。暑くもなく寒くもなく、まさに、お祭り日和。
例大祭開始の30分前に須賀神社にお伺いしました。
例年なら、御神輿が浅草橋界隈を練り歩きますが、この日は鎮座しております。
御社殿の中に入れていただき、撮影の準備をしていると、11時を迎えて例大祭が開始されました。
まずは、二礼二拍手一礼で神様にご挨拶をします。
お祓いのあとに本殿の扉が開かれます。
普段は見ることのできない本殿が開かれて、ますます身の引き締まる思いに。
お酒、お餅、団子、野菜などのお供え物が運ばれていきます。
お供え後、宮司さまによるご祈祷が行なわれます。
次に、参列者ひとりひとりが玉串奉奠をおこない、例大祭は終了となりました。
例年ならお神輿や出し物でにぎわう
今年はご祈祷だけで終わってしまいましたが、例年ならば、御神輿が町を歩き、出し物が開かれてにぎわいを見せます。
そんな例年の様子を説明してくれた、須賀神社睦会の会長である宮崎和則さん。
子どもたちにも積極的に参加してもらうのが須賀神社例大祭の特徴で、お祭りに参加した子どもたちが大きくなり、親になり、自分の子どももお祭りに参加させて……と、親子代々受け継がれてきたお祭りでもあるんだとか。
今年は子どもたちを集めるわけにもいきませんので、御神輿や出し物は中止となりました。
「一年を通して出し物の練習をするのが、子どもたちのお祭りの醍醐味だったんだけどね……」
と、宮川さんは寂しそうに語っていました。
コロナの終息を願う
飲食店のみならず、多方面に多大な被害を与えている新型コロナウイルス感染症。自粛が声高らかに叫ばれ、本来ならば遊び盛りの子どもたちも、なかなか自由に活動することができなかったと思います。そんな彼、彼女たちの願いや祈りを込めて描いた絵が、例大祭中には展示されていました。
須賀睦会青年部の発案だそうで、たくさんの素敵な絵が神社に彩りをもたらしていましたよ。
我らが浅草橋駅を走るJR総武線の列車の絵。威風堂々たる迫力です
来年こそは、にぎやかなお祭りが開催できるように、一日でも早いコロナ終息を願っています。
須賀神社
東京都台東区浅草橋2-29-16
文:高橋 宏彰
撮影:伊勢 新九朗