ついに、浅草橋グルメを語る上で絶対に欠かすことができない名店、「Chicken Place(チキンプレイス)柳橋店」さんにお邪魔しました!
今年で創業25年目。地元では知らない人のいない超名店です。
定番の焼き鳥だけでなく、店主自慢のさまざまな多国籍料理を楽しむことができ、焼き鳥の常識を覆すそのおいしさから、長期にわたってリピーターになる人が続出!
木の温かみを感じられるログハウス調の店内は、お一人様でもカップルでも、取引先との接待でも、さまざまな用途でリラックスして過ごせるのも嬉しいところ。
本日は、浅草橋で生まれ育ち、創業当時からチキンプレイスに通い続けている生粋の「浅草橋っ子」のモトクニ(39歳・男性)とともに、チキンプレイスの料理を120パーセント楽しむためのポイントを紹介します!
カウンター席もあるのでお一人様でも気軽に入店できる。店員さんは皆フレンドリー。
胃袋が覚醒する!「お通し」の通な食べ方
まずは、「大根おろし」と「うずらの卵」のお通し。
チキンプレイスのお通しの定番です。
お好みで、卓上にある七味唐辛子と醤油をかけて、かき混ぜて食べましょう。
夏バテ気味のときでも、適度に胃腸を刺激してくれて、食欲がムクムクと湧き上がってきます。お酒や料理を迎え入れる準備はこれで万全です。
ドリンクは「ドラフトギネス」を頼んでみました。
モトクニ曰く、「ギネスは上面発酵(古くからのビールの作り方)で作られており、炭酸が少なめで腹がパンパンにならない。だから、食事をしながら飲むのに最適。無限に飲める」とのこと。
「無限に飲める」かはさておき、確かにどんなに飲んでも口当たりが変わらず、ぐいぐい飲めてしまいます。
白飯が欲しくなる!やばいサラダに出合った
1品目、「チャイニーズチキンサラダ」が到着しました。
何がチャイニーズかというと、春巻きの皮を縦に割ったものが、写真のようにたくさん載っているからです。
ボリューム感がすごい!
キャベツにレタス、パプリカやトマト、蒸し鶏など、これでもかと盛られています。
ポイントはやはり、上に載った「春巻き風の皮」。
序盤に食べるとパリパリの食感、時間が経つほどシナシナになっていき、まるでポタージュスープにおけるクルトン的な役割です。時間差で多様な食感を楽しむことができます。
中華ドレッシングで濃厚に味付けされており、サラダというより、これはもう「冷製野菜炒め」です。これだけで、白米3杯はいけそうな「オカズサラダ」。
もちろん、ビールのつまみにも最高でした。
焼き加減、最高!肉のやわらかさ、神!
いよいよ定番の焼き鳥「ねぎま」を食しましょう。
面構えからして、「うまいこと確実!」のオーラを放っております。
かぶりつこうとすると、モトクニがストップをかけてきました。
「なんだよ食わせろよ」と思いましたが、ここは浅草橋のベテランの話を聞きましょう。
「そのタレ(写真左下)は、『かんずり』という新潟の伝統調味料で、これをつけて食べるのがうまいんだ。かんずりってのは、唐辛子を雪の上にさらしてアクを抜き、柚子やこうじなんかを混ぜて作ったもの。これが最高に鶏肉と合うんだよね!」
モトクニの言うことを素直に聞き、ねぎまに食らいつく。
……なんだ、この柔らかさ。鶏肉って、こんな柔らかくていいのか!
備長炭の遠赤外線で焼かれた鶏肉は、絶妙な焼き加減。
ややレアっぽいのかなと思いきや、この焼き加減が、とろけるような食感を演出。
いやはやこれは……最高の調理です。
そして、「かんずり」も素晴らしい。鶏の甘みとともに、唐辛子のほどよい辛みがバランスよく口のなかに広がり、最後にふわっと香る柚子。思わず唸ってしまう美味しさでした。
続いて登場したのが、チーズを豚肉で巻いた「チーズ巻き」。
これまた遠赤外線で焼かれているため、チーズが硬くなっておらず、どこを食べてもフニフニ状態。ひとかみすると、豚肉の肉汁が溢れ出し、ほんのり炭の香りが漂ってきます。
なめらかな食感と絶妙な味つけを楽しめ、専門の「鶏」以外の串もこんなにうまいのかと衝撃を受けました。
素材の良さもさることながら、料理人の腕がハンパないことがわかる一品です。
納豆焼きとタンドリーチキンはマストで!
完全にチキンプレイスのトリコになってしまったところで、さらなる衝撃が訪れます。
鶏のささみに、ひきわり納豆がふんだんに盛られた「納豆焼き」。
通訳をしているモトクニは、納豆が嫌いな海外からの旅行者(スペイン人、ドイツ人、コロンビア人、アメリカ人、イギリス人)が、これを食べて全員納豆を克服したばかりか、好物にしてしまったとのこと。
「モトクニさん、ほんとですか〜?」などと半信半疑で食べてみると、
……はい、これ、史上最強の納豆料理確定です。
何がすごいって、納豆独特の「臭み」が、オリジナルの味付けによって「旨み」だけに変換されており、これがささみの味と最高にマッチ。納豆が極上のソースになっているわけです。同行した編集長は納豆焼きにハマりまくり、このあとも納豆焼きをリピートしていました。
続いてやってきたのが「串焼きタンドリーチキン」。
クミンの香りがテーブルに広がり、食卓は一気に、日本からインドに飛び立ちます。
「運ばれてきたら、インド風。鼻を近づけて、インドに到着。ひと口食べれば、もうガンジス!」
……中学生のころからチキンプレイスに通い続けているモトクニの謎のテンションに相槌を打ちながら、私もかぶりつきます。
「確かにガンジス!」「でしょ、ガンジスでしょ!」「ガンジスですね!」
酔っ払い同士の意味不明な共感。
スパイシーなタンドリーチキンでさらに酒が進み、この日5杯目のギネスを注文。
料理がうまいと、マジで無限に飲み続けられる気がします。
タンドリーチキンはじっくり焼き上げるので、そのほかの串と一緒に序盤で注文しておくのがオススメ。よきタイミングで食すことができるでしょう。
水を一滴も使わない「不動のカレー」で大満足
中国、日本、インドときたら、今度はメキシコだ!
「チリビーンズ&チップス」を注文。
言うまでもなく、ビールに合う!
チリコンカンのチーズが固まらないように、食べる前にかき混ぜておくと、最後までなめらかなチーズの食感を楽しめます。
そして、最後の〆は、こいつで決まり!「特製チキンカレー」(写真は大盛り)。
水を一滴も使わずに、タマネギ、ヨーグルト、トマト、そしてチキンを煮込んで作った大人気カレーです。野菜とチキンの甘みをたっぷり味わえる絶品!
酔っ払ったモトクニ曰く、「ここのチキンカレーは、不動のカレーだ! ほら、こうやって傾けても全然動かない。まるで、ハワイのキラウエア火山のマグマのようだ。シャビシャビのカレーに飽きた人は、ここのカレーを食べたらやみつきになる!さあ、食べよう!」
言われたくても食べますと言うことで、食べてみた!
モトクニさん、あなたの言うことは本当だ!
なんとういう濃厚さ!うまみ成分がこれでもかと凝縮している。
うまい!一生食べていたい!
というわけで、おかわりまでしちゃいました。
カレーを食べ終えると、最後にチキンスープのサービスがあり。
鳥のエキスがつまった優しいスープが全身に染み渡っていきます。
なんとも言えない幸福感に包まれました。
たくさんの美味しい料理、ごちそうさまでした!
今回お邪魔したチキンプレイスは、大通りから離れた、人通りの少ない路地の一角にあります。にもかかわらず、25年にわたって地元民に愛されてきた理由は、圧倒的な美味しさとコスパの良さ、そして、誰もが気軽に来店できるフレンドリーな雰囲気にあるでしょう。
ふだん焼き鳥屋にはあまり行かないという、女性のリピーターが多いとか。
現在は、蔵前店をはじめ、系列店が続々とオープンしています。
その理由を店主さんは、「リピーターの方に、いつでもチキンプレイスの味を楽しんでいただけるように」と話します。どこまでもお客さん目線に立ったお店です。
いわゆる赤提灯の「焼き鳥屋」とは、別格のクオリティーを誇るチキンプレイス。
下町ならではの気取らない素敵なお店です。ぜひ一度、「世界の焼き鳥」を味わってみてください。浅草橋で迷ったら、チキンプレイスで間違いなし!
(うますぎて、食べすぎ、飲みすぎ、要注意!)
「浅草橋やきとり Chicken Place-チキンプレイス-」
営業時間:[昼]12:00~13:30[夜]17:00~24:00(L.O23:00) [土曜] 17:00~24:00(L.O23:00)
定休日:日曜日、祝日
文/堀田 孝之
写真/伊勢 新九朗