ものづくりの街・浅草橋には、大人がワクワクするお店がたくさん。「浅草橋を歩く」では、気になるお店をとことん深堀する企画“おとなの社会科見学”を連載しています。
第2回目は、浅草橋駅のほど近くに工場を構えビールを醸造する「VectorBrewing(ベクターブルーイング)」。“クラフトビール”の先駆者でもあるこちらのカンパニーで、ビールのアレコレを根掘り葉掘り聞いてきました!
目次
都心にブルワリー!? クラフトビールを身近に楽しめるファクトリー
浅草橋から徒歩約3分。オフィスや住宅街に囲まれた“THE都心”な場所に、今回ご紹介する「VectorBrewing」はあります。
本当にこんな場所にビール工場があるの?と、なんだか不思議な気分で歩いていると、とってもハイセンスな外観のビルが。ここが「VectorBrewing」のファクトリーです。
到着すると、ヘッドブルワーの木水さんがにこやかに取材陣をお出迎え。
お酒好きが高じて“ブルワー=ビールをつくる職人”になったという木水さんが、工場の歴史や製造工程、味わい方など、クラフトビールにまつわるあらゆることをレクチャーしてくれます!
始まりは新宿の小さなビール工場。縁あってものづくりの街・浅草橋にファクトリー設立
「VectorBrewing」は、クラフトビール店を展開する会社の「せっかくなら自社で作ったクラフトビールも楽しんでほしい!」という思いからスタートしたカンパニーです。
最初は新宿にある飲食店の隣で、3坪ほどの小さなブルワリーを設立。しかし、展開するお店の数が増えていくにあたり、小さな工場では自社ビールの生産が追いつかなくなってしまったそう。そこで、新たな場所に工場を構えることになりました。
そして、物件を探すなかで出会ったのがこのビル。もともと倉庫だったため天井が高く、ビールタンクを置くのに最適だったのだとか。そんなご縁から、2017年の末からものづくりの街・浅草橋でクラフトビール醸造が始まったそうです。
工場で常時製造しているクラフトビールは3種類。その他にも新たなビールを随時つくり出しており、その種類はなんと年間30種類以上!
1階の醸造所には、麦やホップがビールに生まれ変わっていく豊かな香りが充満。生命力を感じる不思議な空間がそこにはありました。
「今は、この工場でも生産が追いつかなくなっています」と木水さん。そのため、工場は常にフル稼働。
3人のブルワーが、日々おいしいクラフトビールをつくるために心血を注いでいます。
2階には、原材料の保管庫と粉砕機が。各国から輸入している選りすぐりの麦が管理されおり、醸造所とはまたひと味違う香ばしい香りを感じられました。
2階で粉砕した麦は、そのまま1階の醸造所へと送られます。
すべてをファクトリー内で行なっているため、品質や製造工程の管理などを徹底できるのもこの工場の大きな魅力です。
ビールづくりだけじゃない! 「VectorBrewing」の楽しみ方
「VectorBrewing」は、『クラフトビールをもっと自由に、おもしろく』をモットーに様々な取り組みをおこなっています。たとえば、ファクトリーの2階にあるオフィスの活用法。ここでは、自社製ビール2時間飲み放題を楽しむことができちゃうのです!
オフィスは大人6名から利用可能で、一人3,000円で4種類のビールが飲み放題。食事の持ち込みも可能なので、ちょっとしたパーティーや催し物を開催するのにうってつけです。
飲み放題には、定番商品に加えレアな商品も登場。取材時は宮城県のクラフトビールメーカー「やくらいビール」とコラボレーションした紅茶ドゥンケルがラインナップされていました。
クラフトビール界は他社との交流が活発で、まだ発展途上のクラフトビール界を盛り上げるべく、互いに協力し合う関係性を築いているのだとか。飲み放題を楽しみつつ、さらにはクラフトビールについての情報を手に入れることもできますね♪
お値段もリーズナブルで、とってもお得な飲み放題。今度の飲み会は、ぜひこちらを利用してみては?
また、イベントやフェスにも多数出店。取材の数日後には、高円寺阿波踊りで人気商品“ねこぱんち”の樽生を提供していました。このように、「VectorBrewing」は日本のクラフトビール界を盛り上げるべく、多岐にわたって活動をおこなっているのです。
カンパニーは地域との繫がりもとても大切にしています。
浅草橋の大人気クラフトビール&ハイボール店「ハイクラ」とは、ファクトリーを立ち上げ当初からの仲。お店のビールがなくなれば、木水さん自らが自転車で届けにいくこともあるのだそう。
「VectorBrewing」は、近隣飲食店との親交を深め、街の活性化にも貢献する地域密着型のファクトリーでもあります。
▼以前サイト内でご紹介した「ハイクラ」さんのページはこちら!
炭酸から選べるハイボールが楽しい!浅草橋で最高の2軒目としてお勧めしたい「HICRA.(ハイクラ)」に行ってきた店頭では自社の瓶ビールが購入可能。クラフトビールブームの影響か、ふらりと立ち寄り購入していく人も増えているのだとか。(購入できるビールは日によって異なります)
「VectorBrewing」は、初心者でも安心して気軽におとずれることができるスポット。興味を持った方はぜひ、お散歩の合間に訪れてみてくださいね♪
次回予告
「VectorBrewing」のファクトリーや取り組みなどをご紹介した前半、いかがでしたか?
後半はがらりと変わって「クラフトビールってなに?」「どんな魅力があるの?」「おうちで飲むときの裏技は?」など、クラフトビールをより好きになるヒントが盛りだくさんな内容です!お楽しみに!
▼スポット情報
- 店名:VectorBrewing
- HP:https://craftbeercompany.co.jp
取材・文/牧 五百音
写真/伊勢 新九朗