【最新版】浅草橋の氏神さまをお祀りする「銀杏岡八幡神社」にお参りして、街の歴史に触れ、御朱印を頂く。

はじめに

日本の首都・東京には、4000社以上もの寺社仏閣があります。近年は御朱印めぐりに足を運ぶ人も増加中。寺社との関わり方も、時代とともに少しずつ変化しつつあります。

当サイトを運営する株式会社伊勢出版でも、これまでに何冊もの御朱印関連本を制作。日本各地の神社や寺院と、多くのご縁を頂いています。

そんな私たちにとって最も身近で親しみ深いのが、浅草橋の氏神さまをお祀りする「銀杏岡八幡神社」。2019年に訪れて取材記事を作成させていただきましたが、今回改めて、銀杏の季節を堪能してもらえる記事を追記しましたので、あわせてお楽しみいただけたら幸いです。

「浅草橋FANBOOK」が発売された今だからこそ、浅草橋の歴史や街との関係性、頂ける御朱印のことなど、知っておきたい情報を詰め込みました。ぜひ、浅草橋散策のなかに銀杏様への参拝を入れてもらえたらうれしいです。

駅から徒歩1分! 浅草橋の中心部に鎮座する名社

訪れたのは、浅草橋駅東口を出て徒歩約1分の場所にある「銀杏岡八幡神社」。創建時より“八幡さま”“銀杏八幡さま”と、近隣の人々に親しまれ愛されてきた、浅草橋を代表する神社です。

アクセス抜群な立地なため、気軽にお参りに来る人が多いこちらの神社。取材にうかがった際も、ご近所に住む氏子さん、界隈におつとめの方、そして、海外からの観光客など、多くの人がひっきりなしに訪れていました。

鳥居をくぐると、きりりとした面持ちの阿吽の狛犬がお出迎え。

精悍ながら柔和な印象も醸し出す表情に、なんだかほっこり♪ やさしさを感じるお顔は、街の雰囲気を映し出しているようにも感じます。

たくさんの木々に囲まれたこぢんまりとした境内は、整備が行き届きとても清潔感あふれる空間。駅近とは思えないほど静かで落ち着いた時間が流れています。

都会にいながら四季折々の風景を楽しめるのも、こちらの神社の大きな魅力。リラックスしたい、気持ちを穏やかにしたい――そんなときに訪れて、参拝とともに森林浴気分を味わう人も多いそうです。

鳥や猫などの動物に出会うこともしばしば。

動物たちも、居心地の良さを直感で感じ取ってここへやってくるのかもしれませんね。

境内では、掃き掃除をしたり、氏子さんと会話を楽しむ神職さんの姿をよく拝見します。このアットホームな風景もこの神社の特徴。温かみある雰囲気がこの神社一帯に漂っているのです。

顔なじみだけでなく、初めて訪れた人にも優しく対応してくださるので、ぜひ気楽に、ふらりと足を運んでみてください。

創建は平安末期! 古より街の変遷を見守り続ける

銀杏岡八幡神社の創建は平安末期。源義家が戦いへ出向く途中、この地の丘に銀杏の枝をさし勝利を祈願したことが起源とされています。

御祭神の誉田別命(ほんだわけのみこと)、竹内宿禰命(たけのうちすくねみこと)が祀られた社殿の近くには、神社のシンボルともいえる大きな銀杏の木が。創建の際に植えた銀杏の木は焼失しましたが、その後、明治神宮から新たな木を授与。いまでは浅草橋に深く根を張り、街を行き交う人々を見守っています。

本殿のほかに、「此葉稲荷神社(このはいなりじんじゃ)」も鎮座。“おいなりさん”の名称で親しまれ、衣食住に関する御利益を頂けると信仰を集めています。

「いまは“ものづくりの街”という場所柄、商売繁盛や健康長寿、家内安全を祈願する人が多くいらっしゃいます」。そう話してくれたのは、禰宜(ねぎ)の渡邊輝比古(わたなべ てるひこ)さん。

渡邊さんは、ひいおじいさんの代から続く神職を継承すべく、大学で神道学を勉強。現在は宮司のお父様やご家族とともに、神社をお守りしています。

「この神社で生まれ育ち、幼い頃は境内が遊び場でした。これまで多くの氏子さんに支えていただいてきたので、これからも良好な関係を築きながら、時代の変化にも柔軟に対応しつつ、神社の新たな魅力を発信していきたいですね」

渡邊さんがお話するように、神社ではさまざまなお祭りやイベントを行なっていました。

御神輿が練り歩き浅草橋一帯が大いに盛り上がる“御祭礼”などの神事はもちろんのことながら、界隈の飲食店が勢揃いする“アサクサバシフードフェスティバル”など、老若男女が楽しめる催し物も企画、開催。氏子さんたちと協力しあいながら、街全体を盛り上げているのです。

アサクサバシフードフェスティバルに行ってきました!絶品フード&ドリンクを徹底レポ♪

「昔と比べ飲食店なども増え、浅草橋はどんどん賑やかになっています。昔から住んでいる人、新しくやってきた人、みんなが楽しめる街づくりの一躍を担っていければ、と思っています」(渡邊さん)

お話をうかがっている最中、渡邊さんの息子さんが元気に走り回っている姿が見受けられました。

「息子が神職を継ぐかはまだ分かりませんが……笑 この先も、長く愛される神社でありたいですね」

社務所には、江戸時代に作成された歴史的価値の高い古地図も……。平安、江戸の古から、平成、令和と新たな時代へ――新旧入り交じった神社の歴史を窺い知ることができました。

銀杏の葉が舞う、シンプルで洗練された御朱印

最後に、参拝のおしるしに御朱印を頂きました。

書き置きや凝ったデザインのものが多いなか、こちらの神社の御朱印は社名と日付、そして、社印と三つ銀杏の社紋、“浅草橋”の地名印がメインのシンプルかつ洗練されたレイアウト。加えて、可憐な銀杏の葉が紙面を彩ります。

銀杏岡八幡神社の通常頂ける御朱印

此葉稲荷神社の御朱印

今回、頂いた御朱印がこちら。神社の体を現したような、清らかでぬくもりを感じるデザインです。

祭事が行なわれる日には、祭事名も記帳。取材日は“奉祝大嘗祭”の文字を追加いただきました。

御朱印以外の授与品も、シンボルの銀杏をモチーフにしたものがたくさんあります。

2019年取材時はなかったオリジナルの御朱印帳も授与スタート。

お守りも、一枚一枚落ち葉をパウチングしたもの、形を模したキュートな鈴守りなど、銀杏にちなんだ品々がラインナップ。参拝の記念に、ぜひチェックしてみてくださいね♪

銀杏の季節にこそ訪れたい名社

銀杏岡八幡神社の見どころはなんといっても、社名にも刻まれている「銀杏」!

11月下旬から12月上旬にかけて、それは見事な銀杏が色づきます。

ちなみにこちらは2021年12月13日(月)に編集部が再度訪れたときのもの(※つまり、再更新した本日です)。

ぜひ、本日発売された「浅草橋FANBOOK」を片手に、銀杏岡八幡神社様もお参りしてみてください。

あまりの美しさに思わずスマホやカメラを構えてしまう人があとたちません。

期間限定御朱印。銀杏が美しく色づく季節のみ頂けます

銀杏岡八幡神社の御朱印を掲載した本も編集部が制作!

ランチに出かけたとき、気分転換したいとき、そして、自分自身と向き合いたいとき。これまで何度も足を運んだ「銀杏岡八幡神社」。今回じっくりとお話を聞き、御朱印を頂いたことで、神社の神気を身近に感じることができました。

私自身は、寺社仏閣は敷居が高い、作法がわからずどう振る舞っていいかわからない、という気持ちが少なからずありました。

ですが、今回の取材で知ったのは、寺社は私たちの生活にそっと寄り添ってくれる近しい存在であるということ。今後も、私たちの生活を見守ってくださる神さまに感謝をしながら時を過ごし、折々に神社を訪れてみたいと思いました。

自宅、職場、思い出の場所。

その近くには、必ず寺社仏閣が存在しています。寺社の歴史や特徴をより深く知ることで、縁ある地の新たな魅力を知ることができるかもしれません。

あなたにとって特別な寺社仏閣はどこですか?

ということで、「浅草橋を歩く。」運営会社である伊勢出版が制作した、「願いを叶える! 東京のすごい御朱印だけ集めました。」に銀杏岡八幡神社が掲載されています。2019年発売のものなので、情報は古くなってしまっていますが、それでも東京で頂けるステキな御朱印が多数掲載されていますので、よかったらのぞいてみてください。

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取材・文:牧 五百音
写真:伊勢 新九朗