夏、街角で扇子や団扇を扇いでいる人を見て「風流だなあ」「涼しげだなあ」と思ったことはありませんか?
「エアコンや電動扇風機が主流の現代にこそ、伝統的なアイテムを粋に使いこなしてみたい」と思ったことはありませんか?
そんな方にぜひおすすめしたいお買い物スポットが、浅草橋にある扇子と団扇の専門店「松根屋」です。豊富な品揃えの中から、あなたにピッタリの一品を探しに行きましょう♪
ラインナップは東京屈指!希少な扇子と団扇の専門店
やってきたのは、駅から徒歩約4分の場所にある「松根屋」。控えめながら風格漂う外観が、名店の香りを醸し出しています。
同店は、大正3年に創業した扇子と団扇の専門店。レアなお店かつ、100年以上の歴史を誇る老舗店でもあります。
「一見さんは入りづらいかも」という不安は、店内に足を入れた瞬間に吹き飛びました。店内は明るく洗練された空間で、居心地も抜群。インテリアショップをおとずれたようなカジュアルな気分でショッピングが楽しめますよ♪
そして両側の壁には、扇子と団扇がずらり! 美術館さながらの大充実したラインナップに、テンションも一気に高まります!
壁だけでなく、床の間にもたくさんの扇子や団扇が並んでいます。お店には、時間に余裕を持っておとずれると◎。
絵柄、サイズ、手にしたときのフィット感…じっくりと吟味して、あなたにピッタリの一品を見つけてくださいね。
おすすめの扇子&団扇をご紹介♪
アイテムを選ぶコツをお店の人に教えてもらいました。
“ツウ好み”なのは、竹の露出部分が長い『短地(たんち)』や、煙や油を吸って自然に変色した『煤竹(すすだけ)』を使用したもの。
なかでも、『本煤竹(ほんすすだけ)』は、日本家屋で実際に使用された希少価値が高いもの。時間をかけて燻された煤竹は、唯一無二の色と輝きを放ちます。
ここで、豆知識をひとつ。
昔は白紙の扇子を持ち歩き、俳句や風景を書き記していたそうです。つまり扇子は、元祖メモ帳だったというわけなのです。メモ代わりに扇子に一筆…なんてオツな使い方もしてみたいですね♪
また、扇子は大きく分けて実用・舞用・観賞用に分類されるそう。ディスプレイ用のミニ扇子は、インテリアのアクセントにもピッタリです。
扇ぐ以外にもさまざまな用途があるということを、同店で初めて知りました。
お次は、イチオシの団扇をご紹介。
同行した編集長も「これは凄い!」と唸ったのが、一本の竹からひとつしか生み出せない、根を使用した高級団扇。
一本一本形状が異なるので、同じものは世界にひとつとしてありません。
同店は、革新的なアイテムも豊富。現代風の絵柄や文様は、着物以外のファッションにもマッチします。
分からないことや疑問があれば、気軽にお店の方にたずねてください。優しくレクチャーしてくれるので、お買い物が一層楽しくなることうけあいです。
名入れのサービスはギフトにうってつけ♪
扇子や団扇は、裾に向かって幅が広くなることから『末広がりで縁起が良い』とされ、古来よりお祝い事の席に用いられることが多いアイテムでした。
ちょっぴり高価な扇子や団扇は、贈り物にも最適。同店ではほぼすべての製品に名入れを施すことが可能なので、お世話になっている方へ、名前入りの扇子や団扇をプレゼントしてみてはいかがでしょうか♡
扇子と団扇以外のアイテムも要チェック。
ミニサイズのカレンダーは、手帳に挟んだり、お手製の手芸品にドッキングさせたりと、使い勝手の良さで人気を博しています。
他にも、日本画のトランプや若狭塗りのお箸など“和”の魅力が詰まったグッズも展開。
海外の人はもちろんのこと、日本人にも喜ばれる一風変わったアイテムもラインナップされているので、お店の隅々までチェックしてみてくださいね♪
ライターも編集部も名入れ扇子をつくってみた。
取材にうかがった記念に、煤竹を使用した緋色の扇子を購入。名入れを施してもらうと、一層思い入れが深まりました。
電池も充電も不必要な上にコンパクト。粋でエコな涼グッズを備えておくと、暑い夏の訪れも、なんだか待ち遠しく感じます。
家族とお揃いで。自分へのプレゼントに。お世話になっている方へのお礼に。「松根屋」の扇子&団扇は、さまざまなシーンで活躍すること間違いなし。浅草橋へお越しの際は、ぜひ、お店に足を運んでみてください。
撮影/伊勢 新九朗
取材・文/牧 五百音