今回、お邪魔したのは写真スタジオ「Studio 門出」。
実は、Studio 門出が浅草橋にオープンしたのは、ハンドメイド作家さんとの交流があったからとか。
お子さんの素敵な写真を撮りたいパパ&ママの心強い味方になってくれるStudio 門出、そして代表のプロカメラマン・もんちゃんこと、門出格宏さんの魅力と併せて、とことんご紹介させていただきます!
目次
ハンドメイド作家の新たな聖地!?
「Studio 門出」はTHE浅草橋な写真スタジオ
街に根付き、そこに暮らす人々の人生に寄り添う。記念写真という手段で。街の写真スタジオの役割を改めて言葉にするなら、おおよそ、そのように定義できるだろう。
2023年末、浅草橋にオープンしたStudio 門出も、そんな街の人々と歩みをともにする写真スタジオだ。
オープンして日が浅いながら、すでにエントランスは下記写真のように、THE浅草橋という趣である。
これらの写真に写るのは、ひとつひとつ丹精込めて作られたハンドメイド作品。ご存じのように、浅草橋はハンドメイドの聖地で、「浅草橋を歩く。」でも過去に何度か街に軒を並べる各種資材店を取材している。Studio 門出はなんと、浅草橋で資材を仕入れるハンドメイド作家の方々の作品が展示されているほか、購入までできてしまう写真スタジオなのだ。
「いつか自分の写真スタジオ」を持ちたかったと語るStudio 門出代表・門出格宏さんが、浅草橋での創業を決めたのもひとえに彼女・彼らハンドメイド作家との交流があってこそ。
Studio 門出創業ストーリーを門出さんの言葉を借りながらひも解いていこう。
ハンドメイド作家の方にオススメ
商品撮影ブース!
門出さんは、主に結婚式や七五三などの記念行事で出張撮影をおこなうプロのカメラマン。そんな彼のカメラマン人生は2020年、新型コロナウイルスの流行で新たな局面を迎える。コロナの猛威によって結婚式などのイベントの数が激減。このピンチを打破するために、門出さんがはじめたのがInstagramでの発信だ。
「Instagramを見ていると、写真の上手な撮り方を知りたいという方がけっこういらっしゃったので、撮影のノウハウを伝えはじめたんです。そこで出会ったのがハンドメイド作家の方々です」
ハンドメイド作家の方々は横のつながりが強く、評判が評判を呼んで門出さんのInstagramは人気コンテンツに成長。そしてコロナが五類に移行した2023年。「Instagramを通じてたくさんの人が私を知ってくれている今しかない!」ということで、門出さんはかねてからの夢である自らの写真スタジオの創業を決意する。
彼の夢を後押ししてくれたハンドメイド作家の聖地・浅草橋で。
「資材屋さんが並ぶ浅草橋は、ハンドメイド作家の方々にとって、一度行ったら帰ることができない街。軍資金が尽きないかぎり、1日中買い物ができてしまうんです。そんな浅草橋にみんなの拠点を作りたかった。みんなで集まって楽しいことができたらなと。最近も人気ハンドメイド作家の方のワークショップをうちで開催しました」
Studio 門出が目指しているのは、ハンドメイド作家の方が作品を制作する以外のすべてをできる場所。
作品の展示・販売についてはすでに述べたとおりだが、さらに、ハンドメイド作家の方々が自身で作品の撮影ができるフォトブースも設置されている。
綺麗に撮れるように門出さんがセッティングしてくれるので、カメラの扱いに自信がないハンドメイド作家の方々は、練習がてらに訪れてみてもいいかもしれない。
コロナ禍で対面の交流が制限された結果、恋人探しのマッチングアプリの流行を一例にSNSを通じた出会いを求める人が増えた。カメラマンとして新たな可能性を模索する門出さんと、自分の作品をできるだけ綺麗に撮影したいハンドメイド作家さんたちとの出会いも、コロナ禍が生んだ運命的なマッチングだったのだろう。
モットーはお客様と友達になること
門出さんだから撮れる
自然な笑顔
コロナ禍でInstagramの発信を通じて、今にいたる重要な出会いを果たした門出さん。一方で当時多くのブライダルカメラマンが、数が減った結婚式の穴埋めに東京駅などを舞台に新郎新婦を撮るウェディングフォトをはじめたのだが、門出さんの場合はどうだったのだろうか。
「私の場合は新郎新婦お二方だけを撮るウェディングフォトはどうもカメラマン魂が燃えなくて(笑)。新郎新婦だけではなく、ご両親、ベールボーイ・ベールガールを務めるお子さまなど、親族やご友人を含めた結婚式の人間模様の写真を撮るのが好きなんです。」
そう言うと、門出さんは担当した結婚式のアルバムを我々編集部に見せてくれた。そこに写るのは入場直前の新郎新婦、そして、新婦のお母さん。このお母さんはシングルマザーだという。娘さんを女手ひとつで育てたというお母さんの感無量な表情をとらえた写真に、門出さんのカメラマンとしての確かな腕前を感じてしまった。
「私自身も自分の結婚式の写真に写る両親を見てグッと来ます。私は3人兄弟の次男坊なのですが、〝次男あるある〟と言うか確かにあるはずの親の愛を感じられない時期があったんです。だけど写真の両親の表情を眺めていると、「ああ自分は愛されていたんだな」と実感できたんです。」
門出さんのお話を聞きながら、筆者は先ほどの新婦のお母さんの写真を眺め続けていた。面識もなく名前も知らない方の写真でも、何だか心が温かくなって来る。写真を通じて目には見えない〝家族の絆〟を感じ取ること。家族の記念写真が持つ大きな意味を知った気がした。
そして結婚式を終えたあとも、〝家族の物語〟は続く。
Studio 門出のエントランスには、ハンドメイド作品のほか、結婚式の写真撮影がきっかけで門出さんに継続的に撮影をお願いしているご家族の写真が展示されている。結婚式の写真にはじまり、第一子、そして第二子の誕生。1年、そしてまた1年と愛を育み、形を変えて行く家族の姿。「人生はマラソン」という言葉を聞いたことがあるが、門出さんは家族というランナーの伴走者のようにそのかけがえないの日々を記録している。
それにしても、どの写真も皆、いい笑顔をしている。
「私の撮影スタイルはお客様と友達になること。そのほうが自然な笑顔を引き出せるんですね」と語る門出さん。被写体になると人はどうしても身構えてしまう。とくにイヤイヤ期のお子さんは、カメラを向けただけで泣いてしまうなんてことも。
「家族のとびっきりの笑顔を記録したい!」とお考えの方は、一度、門出さんにお願いしてみてはいかがだろうか。きっと、かけがえのない家族の〝伴走者〟になってくれるはず。
ママの笑顔は家族の笑顔
セルフ写真館でお子さんの自然な姿を!
さて、笑顔に関連して筆者にはひとつ気になることがあった。それはStudio 門出のホームページに掲げられた「ママの笑顔は家族の笑顔」というキャッチコピー。これは一体、どのような意味なのだろう。門出さんに聞いてみた。
「実は家族写真の撮影が上手く行くポイントって、ママさんが笑顔でいるかどうかなんです。七五三の撮影などではお子さんが慣れない着物姿になるから、むずがることがあるんです。そのときママさんが「もうちゃんとして!」と言い始めると、そこから撮影を軌道に乗せるのが中々難しい。」
筆者にも七五三の撮影で履いたタイツが暑くて嫌で仕方がなかった記憶がある。あのときは、自分の感情を爆発させることに一生懸命だったが、その裏での母、そしてカメラマンの方の苦労があったと思うと今さらながら申し訳ない気持ちになって来る。門出さんはどのように対応しているのだろうか。
「私は事前の説明を心がけています。「お子さまがぐずることがあるけど、そういうことも成長の過程だと思って、1日笑顔で過ごせるようにしましょう」と。結婚式のときからお付き合いがあるご家族が多いこともあるのでしょう。そう言うと、皆さん私の言葉を信じてくださって撮影が上手くいきます」
Studio 門出では、お子さんが走り回って転ばないように、配線の類も床から上げている。そして設備面で何よりママさんに配慮したサービスにして、Studio 門出の最大の特徴がセルフ写真館だ。
セルフ写真館とは、お客自身でリモコン型のシャッターを押す撮影スタイルのこと。人見知りなお子さんの中には、カメラマンが撮影すると固まってしまう子も多い。そこで、カーテンを閉めてママとお子さんだけの空間を作り、ママさんにシャッターを押してもらうことで、お子さまのリラックスした表情を撮影してもらうのだ。もちろん、カメラや照明などの必要な設置は門出さんがしてくれる。
Studio 門出のような本格的な写真スタジオで、セルフ写真館のようなサービスを実施しているところは珍しい。また、仮にあったとしてもカメラの高さの変更やズームができないところが多いが、Studio 門出では調整可能。価格もカメラマンの人件費がかからないため、相対的に安く※抑えられる。
※セルフ写真館は時間制限制。基本料金が3300円、ひとり追加ごとに+1100円(小学生以下+550円)。
編集長・伊勢もセルフ写真館で自撮りチャレンジ!
せっかくなので筆者も。稀代のイケメンである筆者の顔が写っていないのが少々残念である。
正面に設置されたモニターで、どのような写りになるか確認できる。
セルフ写真、シンプルながらも今までにない撮影体験ができて実に楽しい。Z世代は体験を重視するとどこかで聞いたことがあるが、案外若い子の間で流行するかもしれない。
ちなみに、もちろん、カメラマンである門出さんが撮影することも可。
撮ったその場でモニターで写真を確認できるというのも、大きな特徴で、モニターで確認しながら、お客さまの撮りたい写真を撮影することができるのだ。
これは、じつは、「写真を撮られる」という受け身ではなくなるという効果があるんだとか。
モニターで確認しながら撮影していくことで、カメラマンへの信頼度も増し、自然とお客さまとカメラマンが「一緒に作り上げる」撮影となる。結果的に、お客さまが大満足の写真が撮れるのだそう。
夢を応援できる人が増えてほしい
今回の取材を通じて感じたのは、Studio 門出が人々とのつながりを大切にする写真スタジオだということだ。
店内に飾られた記念写真やハンドメイド作品はもちろん、撮影時のお客様と思い出をうれしそうに語る門出さんをはじめとするStudio 門出のスタッフの皆さんからもそれを感じた。興味を持った方はぜひ、一度ご相談あれ。
門出さんは、自身のことをDream Grapherと称している。これは門出さんがカメラマンになるとき誰も賛成してくれなかったことから、「夢を応援できる人が増えてほしい。自分の人生を自分らしく生きる人が増えてほしい」という願いを込めて付けた肩書だ。
冒頭でも述べたように、写真スタジオは街の人々と歩みをともにする存在である。
Studio 門出は記念撮影を手段を通じて、浅草橋の人々の人生、ひとつの夢を実現して行く過程をサポートしてくれるにちがいない。
「大切な人の夢を、心から応援してあげられる人でいっぱいの日本にする!」と、取材の最後で門出さんは力強く語っていた。
Studio 門出
住所:東京都台東区浅草橋4-20-2 丸幸浅草橋第一ビル 1階
営業時間:10:00~18:00
定休日:火曜、水曜
文/及川(古書みつけ日替わり店主のひとり)
写真/伊勢新九朗