浅草橋駅から徒歩10分、鳥越・おかず横丁。この静かな商店街に64年続く老舗の味噌屋さんがあります。
今回の舞台は「郡司味噌漬物店」、64年続くストーリーと味噌の美味しさをご紹介します。
おかず横丁で64年続く「郡司味噌漬物店」
今回の「＃おかず横丁を歩く。」は、郡司味噌漬物店にやってきました。
年々数が減ってきている味噌専門店、郡司さんは昭和32年から現在まで64年間、ずっとこの場所で店舗を構えています。
「こんにちはー。」お話を伺ったのは、郡司味噌漬物店の営業本部長である夏川さん。
夏川さんは、ご出身は北海道で、浅草橋の十勝帯広居酒屋「パンチョスわやだべや」のオーナーのお一人でもあります。
かつて渋谷東急でアルバイトをしていた時、当時取引先だった現在の社長に声をかけられ、こちらで働き始めたそうです。
歴史を感じる看板。
昭和感溢れるぜいたくみそ。
戦争体験がきっかけでスタートした味噌専門店
郡司味噌漬物店の創業者は郡司春雄さん。
戦後、シベリア抑留されていたことがあり、労働と飢えのつかの間の楽しみは仲間と美味しいもののお国自慢をすること。その時、誰もが「母親の作る味噌汁が飲みたい。」と口にしていました。
春雄さんは「生きて帰ることができたら味噌店をやろう。」と決意、シベリアで命を落とした仲間もいる中、昭和25年に帰国し、その7年後に鳥越のこの場所で味噌店をオープンさせました。
「他のことでぜいたくするのをやめて、せめて毎日の味噌汁と漬物は本当に良いものがほしい!!」お店に掲げられている春雄さんの言葉。（※長年の風雨にやられてしまっているため、近々、修繕する予定です）
全国から集めた美味しい味噌がいっぱい
写真：郡司味噌漬物店提供
郡司味噌漬物店は、直接全国へ足を運び、美味しいと思ったものだけが店頭に並ぶお店。まさに味の飛脚！
こたわりは、天然醸造の味噌だけを扱うこと。その美味しさを伝えています。
家にあるのが当たり前の味噌、普段はスーパーで合わせ味噌や麦味噌を買っていたゆーこあらですが、「天然醸造味噌」なんて言葉を聞いてしまったら、ちゃんと味わいたい気持ちがムクムクわいてきます。
店内にずらりと並ぶ全国の味噌。これは迷いますね。夏川さんに好みを伝えていくつか選んでもらうのもいいかもしれません。早速試食をさせてもらいます。
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甘めの味噌が好きなゆーこあらは、越後もち米味噌と玄米完熟味噌を試食。
麹の割合が高いほど甘く、高級になるという味噌。どちらも甘味が強く、味噌おにぎりにしたらおいしいだろうな。と想像が膨らみます。
他にも、季節で割合を変えるオリジナルのあわせ味噌や、銀座の有名な和食の鉄人に頼まれて作った田舎味噌など、試してみたいものがいっぱい。
漬物の種類も豊富で、美味しい炊き立てのご飯と味噌、漬物で食事が成り立ちます。
皮付きのべったら漬けはなんと、JAL国際線のファーストクラスの機内食にも選ばれました。機内で出会いたい！実は、髙島屋日本橋店にも店舗を構える郡司味噌漬物店。知る人ぞ知る、有名店なのです。
おかず横丁「魚米」さんの味噌漬けも、郡司さんの味噌を使っています。
こちらのイラストは小学生教論免許を持っている夏川さんが描いたもの。
ロケ地として有名なおかず横丁。有名人のサインもいっぱいありました。
郡司さんちの味噌を味わおう
お店の外にはしそ巻みそが売られています。
しそ巻みそとは、味噌に砂糖を練りこみ、しそで巻いて揚げたもの。
しそ巻みそ初体験、いただきまーす。
おやつ感覚で一口いってみましたが、これは、日本酒のアテにしたい！白いほかほかご飯にのせてもおいしいよね。それくらい濃厚で固めの味噌がぎゅっとしています。
ゆーこあらが選んだのは玄米完熟味噌、もち米味噌、甘酒、そして郡司さんちのたくあんも。
翌日のランチは、味噌おにぎり食べ比べ。お味噌汁とたくあんも一緒に。
味噌の美味しさをそのまま味わえるおにぎり。甘く風味豊かな味噌汁。味噌をこんな風にじっくり味わったのはいつぶりだろう？素朴だけど、心満たされる幸せなごはんです。
6か月漬込みのたくあんは、梅干しくらい酸っぱいので、細かく刻んでおにぎりにしたり、タルタルソースにしても良さそう。
濃厚な甘酒は、お水やミルクでとろみが少し残るくらいに薄めるのがおすすめ。毎日飲みたい！
いつもスーパーでなんとなく買っていた味噌も、専門店の美味しいものを食べると、少し幸せになることがわかる。郡司さんちの味噌がお家にあれば、料理も楽しくなってQOLも少し上がります。
これは、毎日の小さな楽しみの1つになりますね。
撮影・文：UKOARA
「郡司味噌漬物店の基本情報」
住所：東京都台東区鳥越1丁目14-2
営業時間：9時～19時
定休日：日・祝・第2＆第４月曜
