浅草橋駅東口を出て、大通りをまたいだ先。
総武線の高架下に、レンガ調の外装をした昔ながらの洒落た喫茶店があります。
今回は、そんな駅前で長年愛され続けている「久」で穏やかなランチタイムを過ごしてまいりました。
古き良き昭和の時間が流れている店
レンガ調の外壁、赤いアーチ型の天幕、アンティークな街灯、そしてショーケースに飾られる食品サンプル……。
そこだけ昭和にタイムスリップしたかのような外観で、レトロな雰囲気好きにはすでにたまらない存在感の「久」。
もちろん、店内に入ってもその空気感は変わらず、昔ながらの喫茶店といった様相をしています。それでいて清潔感があり、客席フロアは広くて天井が高いため、非常に開放的です。
都心のチェーン店などでは、どうしても店内のつくりが窮屈になりがちですが、ここではゆったりとくつろげることが大きな魅力のひとつです。
マスターのお話によれば、お店はこの場所でかれこれ50年近く続いているのだとか。
もともとは、アルバイトとして働いていたマスターでしたが、当時のオーナーに認められ、そのまま店を受け継ぐことに。
それが1994年のことで、なんとその時マスターはまだ学生だったそうです。
こうして長い間、「久」は店を愛する人々に守られ、今なお古き良き姿を残したまま浅草橋の憩いの場としてあり続けています。
素朴で昔ながらの喫茶店メニュー
この日は昼食と打ち合わせも兼ねて男性スタッフ4人での入店。
“ザ・喫茶店”といった定番メニューの中から、それぞれ思い思いに好きなものを注文しました。
・ナポリタン
まずは定番中の定番であるナポリタン。
おそらく読者のあなたが全員知っている“あの”味。決して裏切らない、安定感抜群のメニューです。
・オムライス
こちらも定番メニュー。
ケチャップライスを卵で覆ったシンプルなオムライスです。卵の焼き加減が絶妙でした。
・ドライカレー
スパイシーな香りが食欲をそそります。クセのない日本人好みの味付けに、スプーンが止まらなくなります。
・焼肉ライス
がっつり系をいきたい時にオススメの一皿。野菜もたくさん入っていて、何気に栄養バランスもいいですね。
ランチセットではすべての料理にスープとサラダが付き、飲み物はコーヒーか紅茶が選べて850円。かなりお得な価格設定となっております。
さらに今回は+300円でガーリックトーストを追加注文。
こんがり焼けたトーストにガーリックの風味がほどよくあって、コーヒーとの相性が抜群でした。
心休まる特別じゃない特別な空間
建物と料理、温かい接客によって、店内には常に穏やかな時間が流れていました。
時折、電車の通過音が鳴り響くのは高架下のお店ならではですが、不思議とそれも嫌な感じはせず、BGMのひとつとして心地良く聞き入れることができてしまいます。
食事はせずドリンクだけという方でも、コーヒー1杯480円~とリーズナブルですので気軽に立ち寄ることができますよ。
何かのお祝いやご褒美に! というよりは、なんでもない普段の毎日にこそ訪れたい。飾りっ気はないけれど上品で、どこか懐かしい気持ちにさせてくれる。
「久」はそんな喫茶店でした。
店舗情報
「久」
住所:〒111-0052 東京都台東区柳橋1丁目19
営業時間:平日7:30~19:00、土曜11:00~6:00
(ランチタイム11:00~14:00)
※コロナ禍の影響で営業時間に変動あり
定休日:日曜、祝日
お問い合わせ:03-3861-2616
文:小林
撮影:伊勢 新九朗