【グローバル×ローカル】柳橋「BORDERLESS HOUSE」の入居者が語る〝浅草橋愛〟と実践地域交流

日本人と外国人が一緒に暮らす国際交流シェアハウス。

そんななかでも、2021年から始まったばかりの柳橋にある「ボーダレスハウス 浅草橋」は、入居者たちが国際交流に加えて主体的な地域交流にも取り組むという新しいコンセプトを掲げたシェアハウスでした。

後編では、具体的にどのような生活を送りながら町との交流を深めているのかを、実際にここで暮らしている方々にインタビューして参りました。

【国際交流×地域交流】柳橋のシェアハウス「BORDERLESS HOUSE」に町の新スポットが誕生する!?

町に受け入れられ、広がり始める友好の輪

今回、代表取締役の李さんとともにお話を聞かせていただいた、ボーダレスハウスの藤井雄己さんは、自らこの浅草橋ハウスの初期メンバーとして入居されていました。

もともと別のハウスに住んでいたことや、それ以前のインドネシアでの就労経験などを活かし、他の入居者と共にハウス内での日常的なルールやコミュニティづくりを率先して行なってきたそうです。

現在は退居していますが、日々出勤するオフィスは2階にあり、今も入居者の方々とフランクな関係を築きながらより良いシェアハウスづくりに尽力しています。

昨年、浅草橋ハウスがまだオープンして間もないころ。

入居者はまだ今の半分ほどでしたが、これからの地域交流の足がかりとして柳橋町内会の人々を招いて交流会を開いたそうです。

他所から来た見知らぬ自分たちに対し、年齢的にも大先輩な方々がウェルカムに接して受け入れてくれたことが何より嬉しかったとのことでした。

グローバルでローカルな交流の実践

月に一度、主に5階のリビングで行われるハウスミーティングでは、入居者たちが集まってお互いに生活面での課題や気づきなどを話し合ったり、地域交流のための活動やイベントの企画を出し合ったりしているそうです。

仕事や学校でそれぞれの生活があるなか、ハウスでの活動にも楽しんで参加する入居者の皆さんは本当にエネルギッシュで行動力に溢れていますね。

また、普段から入居者同士で食事や遊びに出かけたり、入退居がある際は皆で歓迎会、送別会を開いたりなど、シェアハウス内の絆も深く、そのコミュニティとしての結束の強さが外部に向けた地域交流にも活かされているようです。

そうしてこれまでに、町の人々との様々な交流活動を行なってきました。

今年5月には「ボーダレスハウス浅草橋フェス」と銘打って1階スペースを開放し、地域の人々を招いて海外料理や英語教室、フリマ、音楽ライブなど、すべて入居者たちの手作りによるイベントが開催されました。

誰もが楽しみながら、自然と国際交流、地域交流へとつながるイベントとして大成功をおさめました。

その詳しい様子はボーダレスハウスのホームページでも紹介されているのでぜひご一読ください。もちろんこの記事も入居者自身によって綴られています。

https://www.borderless-house.jp/jp/blog/tokyo-20220603/

※写真はその前日に行われた「柳橋 こども提灯行列」に参加した様子

バイタリティーに溢れた入居者たち

ではそんな浅草橋ハウスに現在暮らしている入居者の方で、今回お話を聞くことができた3人をご紹介しましょう。

・ぴかそさん

皆から「ぴかそさん」と呼ばれていますが、それは愛称で日本人の方です。

オープン翌日から入居している初期メンバーの1人ですが、その経緯はちょっと変わっていて、ボーダレスハウスの親会社であるボーダレス・ジャパンの代表が執筆したビジネス本をたまたま読んでいた流れでここの存在を知り、興味を持ったことがきっかけだそうです。

シェアハウス自体は今回が3軒目であり慣れたものであるぴかそさん。

その魅力はやはり、日頃からいろいろな人に囲まれている方が面白いことが起きやすいということ。これは一人暮らしだとなかなか得難い環境だといいます。

特にここのようなコンセプトのあるシェアハウスは初めてで、今までの場所と比べても自分で考えて行動できる人が多い印象だそうです。

ちなみに前章でご紹介したフェスのリポート記事を書かれたのはぴかそさんです。

・猪熊風友乃さん

今回お部屋まで見せていただいた猪熊さんは今年の春から住み始めました。

先に仲の良い友人が入居されており、自分もここの環境に惹かれて住むことを決めたそうです。

住んでみた印象は、やはり国際交流シェアハウスというだけあって生の英語に触れる機会が多く、そして何よりモチベーションの高い人が集まっているということ。

日本語を学びに来ている留学生たちが、まだ拙い語彙力でも臆さず積極的に話しかけてきてくれると、自分も頑張らなければとパワーをもらえるそうです。

本が好きでリビングに皆で本を貸し借りするミニ図書館をつくったり、自然と集まったメンバーでたこパをしたり。また、建物の外で入居者の皆でスイカを食べていた際、たまたま通りかかった近所の子供も交えてタネ飛ばし大会が始まったことなど、猪熊さんの口から語られるエピソードはどれも自然と飾らない国際交流、地域交流につながっているように感じました。

ちなみにお酒も大好きだという彼女は、浅草橋の町を1人で何軒か飲み歩くこともあるのだとか。これもまた地域交流の一つですね。

・ビーさん

イギリスから来日しているビーさんは入居して半年ほど。

すでにインタビューに受け応えしてもらえるほど日本語はお上手ですが、さらに学ぶべく日本語学校に通っています。

母国では子供たちに英語や数学などを教えており、現在はテレフォンイングリッシュで英会話講師のアルバイトをしている経験を活かし、上述したフェスイベントでは地域の子供たちに向けた英語教室を開きました。

ランニングとコーヒーが大好きで、隅田川テラスとおしゃれなカフェがたくさんあるこの町は本当いい所だと感じているそうです。

入居者と共に成長、発展するシェアハウス

皆が高いモチベーションを抱きながら、互いに理解し合い楽しんで暮らしている。

今回、浅草橋ハウスを取材しているとそんな印象を受けました。

そして活気ある若者たちの姿には、安易な表現ですが「青春」を感じずにはいられません。

藤井さん曰く、今はまだまだ町とのつながりを育んでいる段階で、これからもっと地域交流の機会を増やし、断続的に行なっていきたいとのこと。

現在そのために町内会の若手の方々と定期的に作戦会議を設け、町の空きスペースなどを有効活用したカジュアルに参加できる企画などを思案中なのだそうです。

こうしたフェイスtoフェイスの交流機会を増やしていくことが、結果的に国際的な視点に立った多様性や異文化の理解につながると信じています。

ぜひ「浅草橋を歩く。」としても、何か一緒に楽しいことをできたらいいですね。

さて、前編でもご案内した通り、そんなボーダレスハウス浅草橋の1階スペースをグローバルな発信・交流の拠点にするためのクラウドファンディングが進行中です。

ぜひこちらのページも一度覗いてみてください。

https://rescuex.jp/project/19581

また、浅草橋ハウスは現在満室の状態ですが、国際交流シェアハウスに興味を持たれた方はボーダレスハウスのホームページをご覧になってみてください。

https://www.borderless-house.jp/jp/sharehouse/asakusabashi1/

「BORDERLESS HOUSE」
〒111-0052 東京都台東区柳橋1丁目10−8

※入居者が運営しているnoteもあわせてお楽しみください!

文:小林
撮影:伊勢 新九朗