鳥越おかず横丁でひときわ目を引くピンクのお店「ONE FACTORY/ワンファクトリー」。
お菓子屋さん? 韓国のお店?
Webで検索してもなかなかヒットしない謎めいたお店、実は韓国人オーナーが手作りする焼き菓子と韓国チキンが人気の韓国居酒屋。
しかも、ここ、むちゃくちゃうまい。
常連さんが秘密にしたいのも納得、「ONE FACTORY/ワンファクトリー」を韓国大好きゆーこあらが体験します。
目次
ワンファクトリーのやさしい焼き菓子
ワンファクトリーは焼き菓子と韓国チキン、そして韓国居酒屋のお店。
韓国 蔚山(ウルサン)出身のオーナーが倉庫を改装し、2018年におかず横丁にオープンしました。
まず紹介するのは、ワンファクトリーの焼き菓子。
ただの焼き菓子じゃなくて、カラダにやさしい焼き菓子です。
通りに面したショーケースにはポップなアメリカンクッキーや米粉のシフォンケーキ、ハングル語がかわいい韓国の缶ジュースが並びます。
「焼き菓子は旦那の大好物でもあって、アレルギーを気にせず食べられるようにとつくりましたが、新型コロナウイルスの拡大で店内飲食ができなくなり、常連客の希望で少しつくって販売したのがきっかけです。お客様が食べたいものはできる範囲でいろいろなものをつくっています」と語ってくれたのは、ご自身も食物アレルギーが多いというオーナーのキムヘウンさん。
そんな彼女が焼き上げるのは、米粉のシフォンケーキ。
これなら、小麦粉アレルギーをお持つお子さんも安心して食べられます。
シフォンケーキは米粉でふわっふわ&もちもち、甘さは控えめ。エスプレッソ味には佐竹のベースキャンプのコーヒー豆を使用しています。
食材の産地にもこだわり、米粉は新潟産うるち米、クッキーやマフィンの小麦粉は北海道産と熊本産を使用。
これはお仕事帰りにふらりと寄りたくなっちゃうね。いいな、おかず横丁。
ちなみに、予約限定のクリスマスケーキも大人気。現在、店頭ではシフォンケーキ、アメリカンクッキーですが焼き菓子は季節、常連客の希望によってマフィンや食パンなど、イロトリドリに変化します。
テーブル席はたったの2つ、予約必須の韓国居酒屋
今回の目的は、ワンファクトリーの韓国チキンと韓国料理。
ピンク色の店内に入ると、そこは韓国居酒屋。テーブル席2つの小さなお店なので予約をしてから行くのが安心です。(ランチタイムはカウンターも利用OK。)
韓国の調理師免許を持つオーナーのキムヘウンさんは、韓国のホテル勤務後、日本の料理学校に通い、日本の調理師免許も取得。さらに、日本のホテルでも9年間働き、自身の会社「株式会社ONE FACTORY」を設立しました。
ジュエリーCAD&光造形と韓国フライドチキン居酒屋を経営するという異色のコラボワークを手掛けるキムさんは、会社がある御徒町から近いおかず横丁に空き倉庫をみつけ、このお店をイチから作り上げました。
東急ホテルでの勤務経験もあるプロの料理人ヘウンさんの韓国料理、楽しみ!
ドリンクは自家製フルーツソーダ(サワーにもできます)を注文。韓国っぽく柚子をチョイスしました。
ザクザクの歯ごたえ、大山鶏の揚げたて韓国チキン
絶対に注文したいのがお店の看板メニュー「韓国フライドチキン(※今回の注文&写真はハニーバター味)」
ワンファクトリーでは、生の大山鶏を丸ごとさばき、注文ごとに調理しています。もう、絶対に美味しいでしょ。
付け合わせの大根の甘酢漬け「チキンム」ももちろんキムヘウンさんの手作り。
ビニール手袋をして、一口。”ザクッ”っといい音が響く。
「うまぁ!」。
鶏肉のおいしさはもちろん、ハニーバターシーズニングもめちゃめちゃおいしくて、やみつきになる。
韓国好きのゆーこあらがびっくりする食感とおいしさ。これ韓国チキンのなかでもトップクラスに入るレベル、すごい。
韓国の味そのまま、濃厚カンジャンセウ定食
そして、「カンジャンセウ定食」。
韓国ではカンジャンケジャン(カニの醤油漬け)が有名ですが、日本で入りやすい生の海老(天使の海老)を醤油漬けにしたカジャンセウがメインのおかず。
どんぶりごはんにはトビッコとふりかけ、汁物はユッケジャンとキムチチゲから選べます。
韓国のりとキムチがついて1650円。かなり良心的な価格。
ちなみに、ONE FACTORYでも「カンジャンケジャン」は有名で、毎年、先予約&数限定で全国に配送してますが、季節(春、秋)の活渡りガニのみで作っているそうです。
※店注:渡りカニの質がよくないとき、価額が急上するときは全てキャンセルさせて頂いてます。お客様から代わりのものでもといわれ、渡りカニの代わりに常に提供できるエビ(身に弾力、甘味もあり、臭みが少なく安定している高級天使の海老使用)が登場し、ディナーに来られないお客様の希望でランチにも登場しました。
自家製醤油ダレしみしみの海老を口に含むと、ジュワと濃厚な旨みとエビの甘さが広がります。
もう、本場韓国の味。とっても美味しい。
日本だったら普通に刺身でワサビと醤油で食べるけど、同じ食材でもこんな濃厚な味になるのが不思議。
魚介類は、毎日直接豊洲から仕入れています。冬の生牡蠣の塩辛も人気なんだとか。
ごはんの上には卵の黄身とトビッコ、ふりかけ。さらにカンジャンセウの醤油ダレも混ぜ混ぜします。
これだけでも充分美味しい。
そして、一番おいしい食べ方がこちら、韓国のりの上にご飯とエビをのせて一口でパクリ。
カンジャンセウ、きみ最高のごはん泥棒だよ。
ワンファクトリーはキムチも自家製。
多くの韓国の人にとって、無くてはならないキムチ。
へウンさんが海外で働こうと思った時に日本を選んだポイントが、「お母さんのキムチが届く距離」の国。
そしてヘウンさんは実は辛いものが苦手。彼女のキムチは辛くなく旨みが強い。キムチチゲも辛さ控えめです。
夫婦でアレルギーが多く、外食もなかなかできない体質のヘウンさんは、素材にこだわり、化学調味料を使わない料理を提供します。そんな彼女の料理は本当においしい、ワンランク上の普段着の韓国料理。
ゆーこあらと浅草橋を歩く編集長は終始「うまいうまい」を連発、もうお箸が止まらない。
具材はほぼ手作り、ワンファクトリーの具だくさんキンパ
そして『ウヨンウ弁護士は天才肌』ファンとしては外せないキンパ。
今まで、キンパってどこで食べても同じでしょう?って思っていたけど……ヘウンさんのキムチ、やさしい家庭の味がする。
ここでもほとんどの具材は手作り(※)、しかも具だくさんでごはんが少ないの見て。こちらもみんなに食べて欲しい。
※たくあんとカニカマ以外全て手作りでした。
この日食べきれなかったキンパはドギーバッグにして持ち帰りました。
「キンパは一度冷蔵庫に入れるとごはんが硬くなっちゃうので、ジョンみたいに卵液に絡めてフライパンで焼くと美味しいよ」と教えいただいたので、やってみましたよ。
美味しく作ったごはんを、一番おいしい状態で食べてもらい、美味しく食べてる人を見ると嬉しくなっちゃうヘウンさん。温かくて安心できる韓国ごはん、とても良いお店でした。
そういえば、「なぜ店名がワンファクトリーなの?」とたずねると、ジュエリーCAD職人である旦那さんと共に運営している会社もワンファクトリーということで、言葉通り、ジュエリーCADも料理も一つの工場から生まれている、という意味なのだそうです。
それでロゴマークが指輪……おふたりの絆も垣間見られてホッコリしますね。
ワンファクトリーは本当に美味しくて、韓国好きのみなさんも、フライドチキン好きのみなさんも絶対に満足できるはず。
ここは秘密にしておきたい、でもみんなとこの美味しさを分かち合いたい、そんなお店です。
※韓国チキンやキンパはテイクアウトもできるので、LINEやInstagramでお問い合わせを。
ONE FACTORYの基本情報
撮影・文:UKOARA
住所:東京都台東区鳥越1丁目11−3 渡辺ビル 1F
定休日:月曜・火曜ランチ、祝日(事情によって変わる場合もございます。急なときは店頭とinstagramストーリーで通知しております)
営業時間:ランチ11:30~14:00/ディナー 17:00~22:00
TEL:03-5825-4020
店注:メニューの料理は、お客様が食べたい希望の料理があればなるべくつくらせていただく、小さくておもしろいお店です。常連のお客様は、2日前に仕入れ準備できるように、自分達が食べたいもの(サムギョプサル、鍋、魚料理など)をご予約するのが定番です。気軽にお問い合わせください。