浅草橋駅から北に10分も歩かない場所に、なんと70年にもわたって店を構えている老舗のお肉屋さんがあるという。
浅草橋なのに「埼玉屋」。
今でも地元の人々から愛される絶品の焼き鳥丼を味わうべく、お腹を空かせた昼時にお店へと向かった。
レトロで渋い! 下町感あふれる外観
70年の歴史を感じさせる渋い店構え。
食欲をそそる香りを燻らせながら、店先で鶏肉を焼いているご主人も含めて、まるでそこだけタイムスリップしたかのような味わい深い景観だ。
先代から店を引き継いだ2代目のご主人とそのご家族で切り盛りし、この埼玉屋は今でも地元の味として浅草橋の人々の生活に根付いている。以前はうなぎを主力として扱い、1匹まるまる使ったうな重などが名物だったらしい。しかし、昨今の流通事情などから現在はうなぎは取り扱っておらず、焼き鳥が名物のお店として愛されている。
親子丼も人気メニューだが、この日は扱っておらず。日によっては作れないメニューもあるそうで、とはいえ、どれもこれも抜群に美味しいので心配はない。
ちなみに店名は、この家族のルーツが埼玉県だからだそう。
バクバク食べたい絶品の「特上ミックス重」
今回テイクアウトでいただいたのは・・・
「特上ミックス重」¥800
ボリューム満点のごはんの上にたっぷりと敷き詰められた焼き鳥・・・見た目だけでもインパクト抜群で、食欲がそそられて仕方がない。
焼き鳥はホクホクでジューシーなもも肉と、臭みがなくトロッとした舌ざわりのレバー肉の2種類。どちらも甘ダレとの相性抜群で、とにかくごはんが進む、進む!
お肉は注文してから焼いてくれるので、お弁当とはいえ、できたての温かい状態で食べることができるのもうれしい。
ご飯の量だってたっぷりあるはずなのだが、贅沢にお肉が盛られているので最後に少しごはんが足りなくなってしまった・・・自分でおかわり白米を用意したくなるくらい、とにかくごはんが全速前進!
今後、夏の暑さで食欲不振になったとしても、埼玉屋のお弁当なら絶対に完食できる自信がある……そんな人がたくさんいそうだ。
ちなみに、合わせて買ったもう1品は「焼き鳥重」¥620
1本ずつ丁寧に焼いた焼き鳥を、そのままごはんの上に乗っけたシンプルでリーズナブルなお弁当。もちろん、モリモリお箸が止まらない絶品。
こちらもできたてのアツアツなうちに食べるのが、注文が入ってから焼いてくれているご主人への礼儀ってものだろう。
電話で事前に予約を入れておけば、到着時間に合わせて作ってくださるので、待ちきれないという方は事前注文もオススメ。ただ、焼いているご主人を見ているだけでも、一杯呑れるくらいの景色なので、フラッと行って、ボーッと待っているのも一興かと。
お店の風貌だけでなく、ご主人やご家族のただずまいを見ていると、70年という長きにわたって地元の人に愛され続けているのもうなずける。
飾らない美味しさとこの雰囲気は、浅草橋の宝だと言っても過言ではない。
店舗情報
「埼玉屋」 営業時間:11:30~13:30|16:30~18:00(2020/6/2から) 定休日:木曜 お問い合わせ:03-3851-1337 文:小林 撮影:伊勢 新九朗