巨大串にやかん酒。老舗焼鳥店の極旨レバーと肉感最高のつくねを肴に飲んだくれる

「浅草橋で飲みませんか」

編集長からの提案があり、「伺います」と二つ返事で浅草橋に向かった。

取引相手の中でも随一の飲んだくれ男と合流すると、さっそく連れ立ってふらふらと浅草橋を歩き出す。

特に飲む店は決めていなかったようなのだが、東口のすぐ近くの路地を歩いていると、一際明るく看板が輝いている1軒の焼き鳥屋があった。

「柳ばし 鳥茂」

呑兵衛二人のお腹と心を、これでもかという勢いで幸せに満たしてくれた。

賑わう店内。渡されたのは2本の串

曰く、「普段はもっと混んでいてなかなか入れないんですよ」とのことだったが、この日は運よく席が空いていた。賑わう店内を進み、席に着くと、店主からお通しの玉ねぎの和えものと2本の串を受け取る。

この店は、箸の代わりに2本の串を使って料理をいただくという珍しいスタイルなのだ。

串を使って箸と同様の仕事ができるかは疑問だったが、やってみると意外と楽しい。

とはいえ、なぜに箸代わりに串なのかを聞き忘れたのはご愛敬ということで。

机に置いてあったメニューを見ると、「本日のオススメ」と書かれた超シンプルな紙きれ一枚に、一連の串が書かれたものがあった。

思わず、「本日のオススメ」をすべて2串ずつ頼んでしまう。

お品書きがこのくらいの量だと、ついつい全部いってしまいたくなるのはオッサンのサガなのか。

まずは瓶ビールで乾杯。喉を潤したところで店主におすすめを訪ねると、「ぴーまん」とのこと。

串焼きは鳥だけではなく豚もあるようだ。ぴーまんを筆頭に色々と頼む。

店主から、「1串が大きいけど大丈夫?」と言われたが、即「大丈夫です!」 と応えた。アラフォーの二人の胃袋は意外と丈夫なもんで(笑)。

巨大な串に圧倒される

焼そら豆を食べていると、最初に提供されたのは奥から「はつ」「ぴーまん」「たん」。

とにかく大きい! 二人して「デカっ!」と言ってしまうくらいにデカかった。

たんはコリコリ、はつは大ぶりで柔らかく、とてつもなくジューシーだった。

店主おすすめのぴーまんは肉詰めスタイル。味はピーマンはサクサク、肉詰め部分はふんわり柚子胡椒が香り、肉がギュッとしていて美味。

「美味いですね」と二人で話していると、お次は「かしら」と「ればー」の登場だ。

かしらはタレの焦げた感じがたまらない。思わず、酒が進む。

レバーはとろっとろで兎に角うまい!

驚いた!

こんなに美味いレバーはなかなか出会えない。

カラシを多めに付けて食べるのが私の見い出したオススメの食べ方である。

合間に、私が頼んでおいた生揚げをつまむ。串以外の料理もいちいち美味しく、生揚げも生姜が効いていてさっぱりする。

かわいいやかん酒に癒され、さらに肉を喰らう

ここで女将さんが我々のテーブルに来てくれたので、オススメを訊ねると開口一番「つくね」と出た。

タレと塩があるが、タレを勧められたので注文する。

瓶ビールがなくなり、ここからは日本酒を飲むことに。

編集長から、「この店はやかん酒っていうのがあるんですよ」と聞いていたので頼んでみたところ、かわいらしいやかんと、鳥茂のロゴが入ったグラスが渡された。

やかんにたっぷり入った日本酒をグラスに注ぐ。酒好きな人が好みそうな辛口の日本酒だ。

そして、このグラス、超欲しい……。

と、そこにつくねが届く。

ふんわり柚子胡椒が香り、ギュッとしていて、これぞ肉! という感覚が最高だ。

その後、新玉ねぎの串焼き、焼きなす、トマトを食す。新玉ねぎは甘く、焼きなすはとろ~り、トマトは口をリフレッシュしてくれる。

肉の合間にこういった野菜を挟むと、口内がリセットされるので、再び別の串に挑戦したいという気持ちにさせられる。

絶品つくねはハンバーガーでも

トマトで口がリフレッシュされたら、どうしても、どうしても「つくね(塩)」が食べたくなったので、編集長に「まだいけますか?」と確認すると、即承諾されたので即注文した。女将さんに、「つくね、塩で」とお願いする。

やかん酒の最後の1杯をちろちろなめてるとつくねが到着した。

ルックスはこの上なく肉肉しい! 目で見てわかる、登場した瞬間にわかる、これは間違いなく美味いと。

いざ食してみるとと、タレではふんわりだった柚子胡椒がガツンと感じられ、スパイシーでさっぱりしている。芸人さんなどがバラエティー番組の食レポなかでよく使う、「これなら◯◯本でも食べられる!」という感想、まさしくアレと同じで、何本でも食べられる! ような気がするぐらいに食欲をそそられる。

タレもいいけれど、塩はさらに好きだ!

そして、日本酒でもビールでも、どちらでも合いそうな味だ。個人的には、これが鳥茂で一番にオススメしたい一品である。

ちなみに、鳥茂の裏手で営業している「シゲルキッチン」(昼営業のみ)では、このつくねを使って作られたハンバーガーがいただけるとのこと。

酒場は苦手だけれども、という方は、ぜひこちらで絶品つくねの味を堪能してみてほしい。昼にシゲルキッチンに行ってからの、夜は鳥茂というコースも最強だと思われるが・・・。

ここでお酒がなくなり、お腹も心も満たされ、ほっこり気分でお会計をした。

串茂る 呑兵衛どもの 夢のあと

「本当にいい店でしたね、通いたくなりますね。次回はあれを食べたいですね」などとまくしたてるように話しながら、2軒目に向うオッサン二人であった。

呑兵衛たちの夜は長い……。

まとめ

1串の値段は安くはないのですが、会計をしてみると思ったほどの金額ではなかったなと思えるほどの満足感があります。

また、ビールや日本酒だけでなく、焼き鳥に合う赤ワインやウィスキー、焼酎も用意されており、酒類の充実度も抜群です。

どれもこれも美味しいのですが、その中でもぜひ食べて欲しいメニューは、はつ、ればー、つくね(塩)の3品!

次回は、今回頼まなかったメニューを食べようと心に誓いました。

撮影:伊勢新九郎
文:西川雅樹

このお店の特長
居心地の良さ
(4.5)
のんびり度
(3.5)
おひとり様
(4.0)
長居度
(4.5)