【こだわり和食に舌鼓】柳橋「月の井」で格別なお昼ごはんをいただきます!

浅草橋駅の東口から歩いて5分ほど。

以前、テイクアウトで食べたお弁当がとても美味しかった記憶のある和食居酒屋「月の井」さんに、今回は実際にお店へお昼ご飯を食べにうかがいました。

舌の肥えた柳橋の住民をも唸らせる絶品の和食料理と、そこに込められたお店のこだわりをご紹介いたします。

オシャレで洗練された空間

店内は外観の印象よりも奥に広いつくりになっており、和洋折衷で落ち着いた雰囲気。

現在はコロナ禍のために難しいですが、会社の忘年会など、宴会を開くのにも最適です。

お店の中が非常にきれいで整頓されているため、てっきりまだ新しい店舗なのかと勝手に思っていましたが、この柳橋で開業してから18年目になる と聞いて驚きました。

それでも、店主の井上さん曰く、「老舗が多いこの辺りではまだまだ新参者」なのだそうです。

確かに、柳橋では“明治・大正創業”なんてお店も珍しくありません。そう思うと、改めて歴史が深い町です。

選び抜かれた食材で丁寧に作られた食事

他のメニューにも目移りしつつ、この日はお店の定番&人気メニューだという2つを注文。

そして、「白いごはん」か「もち麦ごはん」を選べたので後者にしてみました。

本日の月の井御膳 → 1000円(税込)

銀だらの自家製西京漬焼定食 → 1150円(税込)

この日の「月の井御膳」は、お刺身・キスとナスの揚げ出し・煮物……見るからに上品で贅沢な御膳です。

なにより具だくさんで、お腹が満たされるだけでなく、栄養バランスもしっかり考えられています。

お刺身はどのネタも脂がのっており、口の中でとろけていく食感がたまりません。

個人的には、特に鯛が絶品でした。そもそも一皿に5種類も盛られているなんて気前が良すぎます。

むしろ夢中になると、お刺身だけでごはんを消費しきってしまいかねないので注意です。

キスとナスの揚げ出しには薄く衣がついており、揚げたての外側は絶妙のサクサク感。

一転してキスの身はホクホクとして、ナスは噛むごとに染み込んだ特製の甘ダレがジュワ~ッと口の中に広がります。

天ぷら特有のぎっとりした油っぽさはなく、あっさりといただけたのも印象的でした。

里芋、人参、豚肉、うずらの卵―――と、とにかく具材の豊富さに驚かされる煮物。

甘辛い味付けはしっかりと濃いのに、優しくて繊細な仕上がりでした。特に大根やしいたけなど、たっぷりと味が染み込んだものを頬張った時の幸福感はひとしおです。

ちょっと品がなかったかもしれませんが、思わず煮汁も飲み干してしまいました。

銀だらの西京漬け焼きは、一口食べて人気メニューだということを一瞬で納得させられます。

身が柔らかく、甘く風味豊かに焼かれていながら素材の味も活きており、口に運べば自然と口角が上がってしまう絶品です。

そして、ガス窯で炊かれ、モチモチとした食感と麦の風味が病みつきになるもち麦ごはん。鯛のアラで出汁をとり、三つ葉のアクセントが利いている味噌汁。

これらも、それだけで十分に主役になれる存在感でした。

最初の一口から最後の飲み込みまで、ずっと美味しい時間が続く至福のお昼ごはんとなりました。

店主のこだわりが店に料理に行き渡る

店内を見渡すと日本酒や焼酎の瓶がズラリと並んでいます。

自身も大のお酒好きだという井上さんは、お店で取り扱うお酒もこだわりをもって選び抜いており、蔵元さんや酒屋さんとも直接お会いして交流を深めているとのこと。

常時置いてあるレギュラーの銘柄が15~20種近く。加えて2週間~1か月おきに季節や旬に合わせて数種類を入れ替えているそうです。

それでもコロナ禍以前はもっと多く取り扱っていたらしく、なかなか酒席が設けられない今は自慢の名酒を提供できる機会が減り、とても歯がゆい思いをしておられました。

食材にもとことんこだわりたいので、毎日自ら足立市場に足を運び、その日店で出す魚を選んでいるという井上さん。

お寿司屋さんがお客として顔を出すこともあるらしく、その目利きの腕は確かです。

「魚もお酒も、八百屋さんにも浮気しない」のがモットー。自分自身も食べたいと思えるものだけを見つけて取り揃え、あれこれ手を加えずシンプルに作ることが美味しい和食の極意だといいます。

常にきれいかつ清潔であることを心掛けている店内。

カウンター脇に飾られている花は、仲のいい浅草橋の生花店・花楽堂さんで調達し、自ら活けたそうです。

毎年、4月の周年記念には花楽道の店長が直々に赴いて、店内の中央にドーンと桜を活けてくれるのが恒例なのだとか。桜が見れるとなればそれだけでもお客様には喜んでもらえるそうで、遊び心あふれる街のお店同士の交流は素敵ですね。

浅草橋にはかつて花市場があった!?その名残をほのかに香らせる「花楽堂 -HANARAKUDO-」で花束を!

隅々まで店主のこだわりが行き届き、柳橋という街に馴染み愛されるお店「月の井」。

とにもかくにも、なによりごはんが美味しいので皆さんもぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

店舗情報

【月の井】
〒111-0052 東京都台東区柳橋1丁目5-8
営業時間:11:30~14:00、17:00~23:00
※コロナ禍の影響で営業時間に変動あり

定休日:日曜・祝日(※土曜営業は不定休、予約営業もしているので、お問い合わせください)
お問い合わせ:03-3861-2976

文:小林
撮影:伊勢 新九朗

[地図]東京都台東区柳橋1-5-8