浅草橋にはかつて花市場があった!?その名残をほのかに香らせる「花楽堂 -HANARAKUDO-」で花束を!

浅草橋の西口と東口のちょうど間を北に3分ほど行った通り沿いに、絵本に出てきそうなファンシーで可愛らしいお花屋さん花楽堂があります。

取材中にも多くの人が、自分に、恋人に、家族に…と花を選ぶ姿を眺めることができ、花の持つパワーを改めて知ることができました。今回は、街の人に愛され賑わう花楽堂をご紹介します。

花楽堂のこだわりと花の魅力

お店の前には季節柄、クリスマスの飾りが目に入ってきます。そして、奥に続く店を進むと目にもまぶしい色とりどりの花たち。思わずうっとりしてしまいます。

なじみのバラやユリはもちろんのこと、見たことのないお花もたくさん。知っている花でも、こんな色や模様もあるんだ!と興味がそそられる珍しいものも多くありました。

これは何ですか? と質問しては、「これはヨーロッパで流行った花でね」「これはあの花をもとに改良された花でね」と丁寧に教えてもらいました。改良と一言で言っても、花は種付けをしても咲くまでに時間がかかり、咲いてみるまでどんな花になるか分かりません。ゆえに、改良には数年をかけるのが当たりまえの世界です。目の前の綺麗な花たちをみていると、そんなに長い年月と工夫を経て生まれてきたんだね、と感慨深くなりますね。

お祝いごとには欠かせないゴージャスなユリ

珍しい縁取りがあるカーネーション

花火のような鮮やかなピンクッション

このような様々な種類の花は、毎朝、店主の嶋田さんが生花市場から選んできています。何かコンセプトはあるのですか? と伺うと、「品質のいいものには敵わないんですよ」と、何よりも花そのものが持つ良さを最大限に魅せるのが役目だと教えてくれました。

今は、レストランや展示会へのフラワーデザインや、スタンド花などの祝花を担当するほか、街の人たちが手に取れる花屋を展開しています。

浅草橋に店を構えた花楽堂

代々お花屋さんの家系なのかと思いきや、嶋田さんは自身で得意なことを活かせる仕事を探した結果、花屋に行きついたと教えてくれました。横浜や丸の内の生花店を経て、2003年に独立。ここ浅草橋に花屋を構えたのは、実はすぐ近くに生花市場があったから、という理由でした。

花楽堂も浅草橋からすぐの場所にありますが、2003年当初は浅草橋の駅のすぐ裏に浅草橋生花市場があったのだそうです。こんなに人が行き交う街のど真ん中に市場、今では想像がつきません。やはり人通りや住居に近すぎる理由から、今は葛西に場所を移してしまったそうですが、その市場があったからこそ、花楽堂は浅草橋の地に生まれたのですね!

そんな当時の浅草橋の生花事情がわかるレポートはコチラから↓

[前編]街が求めているものを創っていく。「HICRA.」「RUMCRA.」のオーナー 千葉潤一さんインタビュー

 

ちなみに、今は花に囲まれているこの場は、以前は車置き場でした。最初は、外への花を届けるための拠点として、そして、徐々にこの浅草橋の場でも町の人たちが集い、花を買える場として改造され、今では外からみても可愛らしいお花屋さんとなりました。

花束を長く楽しむ方法を教わりました

せっかくなので、私も花束を注文してみました。花はもちろんのこと、グリーンも種類が豊富でシックな花束がタイプだった私は、グリーンを多めに使った花束をお任せで注文。

鮮やかなグリーンと、少しくすんだグリーンを合わせたり、大きめの葉っぱと小さめの葉っぱを合わせたり。グリーンだけでもメリハリをつけていきます。そして、その中に彩りのある花を据えました。くすみのかかったピンクのバラと縁取りのあるカーネーションの2種。違う種類の花を2種入れることで、花が咲き終わる時期の違いから、1本が枯れたらそこにまた新たな1本を買ってきて入れる、そして、また、1本が枯れたらまた1本違うものを入れる……といった形で、長く持つグリーンに囲まれた花束ならではの楽しみ方を教わったのでした。

さっそく家に帰って飾ってみました。ユーカリの丸い葉が可愛らしく、落ち着いた花束がとてもおしゃれでお気に入りの空間になりました。「花のある暮らしを楽しんでほしい」という想いからつけられた花楽堂という名前の通り、暮らしを楽しくする力が花にはありますね。

花楽堂– HANARAKUDO -お店情報

お店で私のように自分の好みを伝えて花束を作ってもらうといった楽しみ方は、出会ったことのない花との出会いも楽しめてオススメです。

また、サイトではオンラインショップにてリースの購入や大型のスタンドなども注文することができます。旬の花を中心に、品のあるシックなデザインからゴージャスなデザインまで、お任せすることができるので、お祝い事やお店のデザインなどにお花を添えてみてはいかがでしょうか。

その他、銀座の和菓子屋萬年堂さんとのコラボ商品で和菓子とフラワーアレンジメントの季節のギフトも展開しているとのこと、お世話になったあの人に、こんなプレゼントもいいですね。

素敵な花を楽しむ方法を教えてくれた花楽堂さん。あなたも今日から花のある暮らしはいかがですか?

花楽堂
〒111-0053 東京都台東区浅草橋1丁目34−7

公式ページ

文:ちえこじ
写真:伊勢 新九朗