受験生も必見!「地域密着型の高校を目指したい」――浅草橋にある『都立忍岡高校』ってどんな学校? 全容徹底レポート!

今回ご紹介するのは、浅草橋にある『都立忍岡高校』。
「浅草橋を歩く。」で学校をレポートするのは、初の試みとなります。
実は今回の取材には、とある目的があって……ということで、さっそく校内に潜入!

『都立忍岡高校』への入学を考えている方、そして、浅草橋に住んでいる皆さんにぜひ読んでいただきたい内容になっていますので、最後までご覧いただけたらうれしいです♪

衣食住が学べる生活科学科を有したユニークでリベラルな都立高校/東京都立忍岡高校

やってきたのは、JR浅草橋駅から徒歩約5分の場所にある『東京都立忍岡高校』。普通科と生活科学科を併設した全日制単位制高校です。
ちなみに、同校へはJR浅草橋駅を含め5つの駅からアクセス可能。利便性が良いことから、多摩市や町田市などの遠方から通う生徒もいるそうです。

今回インタビューに答えてくださったのは、生活科学科主任教諭の金沢先生。金沢先生にお会いして最初に感じたのは、「高校にこんな素敵な先生がいるなんて……」という驚きでした。
金沢先生は、忍岡高校に赴任して5年目の被服の先生。これまで、縫製の仕事や他県での教員もしてきた、経験豊富な先生です。

まずは、金沢先生から忍岡高校の基本情報を教えてもらいました。
忍岡高校には、普通科と生活科学科2つの学科があります。普通科は1学年4クラス、生活科学科は1学年2クラス。どちらも単位制で、必修科目のほか、多様な選択肢のなかから自分に合った科目を選択することができます。

「忍岡高校の特色は、やはり生活科学科があることではないでしょうか。生活科学科は、大きく分けて食物・服飾デザイン・保育の3分野と総合系の各分野を学びます。分野ごとに検定もあって、食物調理、和服、洋服の一級を取得した人は〝3冠王〟と呼ばれるんです。3冠王を目指すも良し、自分の夢に向かってひとつの分野に情熱を注ぐも良し。本人の意思で、自由に選択することができます」(金沢先生)

つまり、1年生のときから、「デザイナーになりたい」「介護関係の仕事に携わりたい」「パティシエを目指したい」と明確な夢を持っている人もいるし、逆に、「何をしたいか決められないので、あらゆることにチャレンジしたい」という理由からこの高校を選ぶ人もいるのだそう。
金沢先生のお話を聞いているだけで、この学校の魅力がひしひしと伝わってきます。

服飾デザインの教室の前には、これまで生徒さんが製作した多種多様な衣装がずらりと並んでいました。
衣装はどれも、高校生が作ったとは思えないほどハイセンス&ハイクオリティ。ここまでの技術を習得できるとは、ただただ驚きです。

「本校から大学や専門学校に進学した生徒は、『高校で習った経験があるから、課題も簡単にクリアできちゃう』なんて言ってます(笑)」(金沢先生)

これまで、『産業教育フェアデザインコンテスト』第2位、『全国高校生クリエイティブコンテスト』優秀賞をはじめ、被服以外の分野でもいくつもの賞を受賞してきた生活科学科。
確かな技術を学べるのが、生活科学科の大きな魅力のひとつといえるでしょう。

「2020年には、フランス・パリにある『ポール・ポワレ高校』とパートナーシップ協定を結びました。今はコロナの影響もあり自由に行き来することはできませんが、今後、さらに交流を深めていく予定です」(金沢先生)

ファッションの本場であるパリの高校と協定関係になるなんて、スゴすぎます!

廊下を進んでいくと、今度は住居の模型を発見! これはインテリアの授業の中で「リノベーション」の課題として生徒さんたちが作ったものだそうです。

調理室の前には、「17歳女子高校生の通学弁当献立」の写真が。そして、向かいの教室では、介護に関する授業が行なわれていました。

ファッション科、調理科など専門的な学科がある高校は数あれど、衣食住の全ての分野を学べる高校はとても希少。私自身、「こんな高校があるんだ!」と驚きと感動の連続でした。

金沢先生のアテンドで校内をぐるりと散策♪

先生のお話を伺いつつ、校内を案内してもらいました。
こちらの高校は、グラウンドを四方で囲んだ珍しい形状の校舎。校内がとても広々としているように感じるのは、この独特の形状ゆえのようです。

「実際はそんなに広くないんですよ(笑)。とはいえ、校舎の中に体育館もプールもあります。もちろん、家庭科の実習室やパソコン室は2つずつあります。道場や部室なども完備されています」(金沢先生)

部活も、全国大会規模のコンクルールなどで受賞した部活から趣味の延長線上のラフな部活までバラエティ豊か。しかも、部活は強制ではなく、掛け持ちもOKなのだそうです。
あらゆる面において、生徒の選択肢が豊富であることがうかがえます。

「確かに選択肢の幅は広いと思います。本校はとてもリベラルなんです。生徒同士も個々の個性を尊重しているな、と感じますね。秋葉原が近いせいか、サブカル的なものやオタク話も日常会話に当たり前に出てきます。もともと女子校だったこともあり女子生徒が多いのですが、男子も仲良くしていますね」(金沢先生)
校内にはとても穏やかな空気が流れていて、先生のおっしゃることを肌身で感じることができました。我々取材陣は高校を卒業して数十年……学校を散策していると、なんだかセンチメンタルな気持ちが込み上げてきました。

ちなみに、取材陣が一番びっくりしたのが図書室。一見普通の図書室なのですが、よく見ると……

なんと、大量の漫画があるではありませんか!
「初期の漫画喫茶ぐらいはあると思いますよ(笑)」という先生のお言葉通り、あらゆるジャンルの漫画が揃っていました。学校で漫画が読めるなんて夢のよう……自分の高校にも漫画があれば良かったのに(泣)!

雑誌も種類豊富。「VOGUE」の隣には「Newton」と、並び方もユニークで思わず見入ってしまいました。

「雑誌や漫画、あとは料理やファッション関連の本が多いのが本校の図書室の特徴です。漫画ももはや日本の文化ですし、これだけの本が揃っているので、入り浸っている生徒も多いようですよ」(金沢先生)

そして、校内には樹齢400年を超えるイチョウの大木が。もともとこの地には、平戸藩主松浦氏が造園した名庭園「蓬莱園」があり、そこを埋め立てて忍岡高校が設立されたそうです。
その面影を残しているのが、このイチョウの木と池。緑豊かな一帯があることによって、校内は都会の真ん中にあるとは思えない、オアシスのような空気感が醸し出されていました。

「浅草橋を歩く。」とのコラボも企画中! 金沢先生が語る今後の展望とは――

散策を大満喫したあと、再度改めて金沢先生にインタビュー。実は今回の取材は、金沢先生のある想いから実現したものでした。

「私は、かつて福島県の高校で教えていたことがあります。東日本大震災のころは東京にいましたが、あの日からずっと、学校が地域の方々との交流をもっと深めることができたら、と考えていたんです。忍岡高校も一帯の避難場所に指定されていて、災害が起きた時にはこの校舎を使用してもらうことになります。地域の方と連携が取れていたら、これから起こりうる災害のときに、多くの命が助かるのではないか、という思いがありました。消防署や地域の方を交えての避難訓練など、色々とできたらいいなと考えています」(金沢先生)

加えて、金沢先生は地域のお店に協力してもらい、インターンシップ制度を設けることができないか思案していたそうです。

「本校の生徒がプリンセストラヤさんに就職して、そのご縁もあってインターンシップをさせてもらっているんです。浅草橋はものづくりの街で、素敵なお店がたくさんありますよね。もしよければ、『浅草橋を歩く。』さんのネットワークを拝借して、ご縁を繋げていただけたらと思いまして(金沢先生)

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生徒さんは現場を学べる。お店は人手が増える。そして、地域の交流は深まる……WinWinどころか、WinWinWinじゃないですか!

「インターンシップというと大変なイメージですが、要は、生徒に、仕事とは何かを体験させていただけたらありがたいな、と。この街の魅力を生徒にも存分に味わってもらいたいですし、街の皆さんの一助になれたらうれしいですね」(金沢先生)

視野が広く、心優しい素敵な金沢先生。先生のような方がいると、高校生活はより一層楽しく、充実した日々になるような気がしました。

「浅草橋を歩く。」で取材記事を書いてくれる生徒さんも随時募集します!

「地域から愛される高校を目指したい」という金沢先生の想いを実現すべく、我らが編集部は、早くもある計画のお手伝いを頼もうと画策中。
そして、インターンシップ制度に協力してくれるお店も大・大・大募集中です♪
今回は〝忍岡高校紹介編〟。次は〝活動報告編〟を皆様にお届けしたいと思います。今後の動向にご期待ください!

追伸、当サイト「浅草橋を歩く。」の取材をしてくれる生徒さんも募集します!!
「浅草橋を歩く。」編集部である伊勢出版は、ふだんは雑誌や書籍を制作する編集プロダクションです。取材のアポ取りから取材の仕方、インタビュー、撮影、編集、ライティングまで、トータルで教えることができますよ。それもこれも地域メディアのよいところ! ぜひ、一緒に好きな店舗や人を取材してみませんか?

撮影/伊勢 新九朗
取材・文/牧 五百音