焼鳥屋さんでコース料理はなかなか想像しにくいと思います。
かつては、神田川沿いの立ち食い蕎麦屋さんだった所に、浅草橋には今までなかったスタイルの焼鳥屋さんができました。
それが、屋形船の三浦屋の隣にある10FKビルの1階に、新しくできた「焼鳥 うにか」です。
店主である小林大輔さんは、ここで焼鳥を中心としたコース料理を提供しています。
以前、ご紹介した、「うにか おにかい by omefarmkitchen」の1階にあるお店がこの焼鳥うにかです。
オーガニック野菜を使ったタパスと農家のカクテルがうれしい「うにか おにかい by omefarm kitchen」オーナー同士が高校の同級生で、ここ浅草橋がコラボレーションの舞台になっていることが素敵だと思いました。
こういうお話を聞くと、ご飯の味に新しい次元が加わり、より美味しく感じられる気がします。
そして、コース料理と言っても、いくつかの楽しみ方がありますので是非、最後まで読んでください。
今回は、「浅草橋を歩く。」編集長の伊勢さんと一緒に、浅草橋のニュースポットに行ってきました。
こだわりの内装を眺めているだけで……
まず、お店に入ると、見た目と違ってとても広く感じる空間だと思いました。
フロアスペースはあまり広くなくても、高い天井で雰囲気が外の浅草橋からガラッと変わる気がします。
お店の椅子は、なんと、かの有名な絵画『ファン・ゴッホの椅子』の座面と同じ作りにしたそうです。
そして、この日、まさか伊勢さんがこの絵が描かれているTシャツを着ていたのです!(※本当にたまたま!)
お店の大きな大理石のカウンターテーブルです。通常は11席ですが、現在は8〜9席が稼働。
お友達とでも、恋人と一緒でもおすすめできます。
カウンターの裏では、一皿を丁寧に作り上げる小林さんの姿が見られます。
お店の奥の壁には戸棚が並んでいますが、上の段の両端は実はスピーカーでした。
高いところから流れてくる音楽でよりスペースの広さを感じ、お料理とお店の雰囲気で一瞬浅草橋にいること忘れます。
珍しき焼き鳥コースの前半戦
先ほども書きましたが、焼鳥うにかはコーススタイルのレストランです。
通常のコースは6500円で、ドリンク2、3杯入れると約9000円くらいになります。
お食事以外のドリンクメニューも種類豊富です。
今回は、焼酎のソーダー割りとハイボールをいただきました。一皿一皿がユニークなコース料理なので、ドリンクも変えることでもう一つの楽しみ方があると思います。
ちなみに、コース内容は、季節や時期によって食材が変わります。
量としてはあまり変わりはないので、ご参考までにご覧ください。
まずは、三品のスターターです。
お皿代わりに使われているこの木の板は備長炭になる前の木材で、小林さんが特注で炭焼き職人の方に作っていただいたと言っていました。
使っているお野菜は、主に「Omefarm」のもので、同級生とのコラボもお皿の上で体験できます。
次は鶏肉とナスを使ったセビーチェスタイルの一品です。
上に乗っている根っこはなんと、パクチーの根っこ!
素揚げされていて、見た目と違ってほんのり甘みがあって、爽やかなセビーチェの味付けとよく合います。
続きまして、最初の焼鳥、つくねです。
小林さんのこだわりの一つで、最初に出す串物はつくねです。
焼鳥のなかで、作った人によって変わるのがつくねだと言います。
手で形を作ってこねる動作で味と食感が変わるため、つくねはある意味焼鳥屋のアイデンティ!
次の焼鳥は手羽です。周りがパリッとして、中が骨の旨味でジューシに出来上がってました。
まだまだもりだくさんの焼き鳥コースの後半戦
続きまして、「Omefarm」のパクチーが添えてある鶏肉の水餃子です。
焼鳥だけではなく、鶏肉やお野菜を使った違うお料理でメリハリのあるコースになっています。
添えてあるパクチーであと味もさわやかで、次のお料理のためにリセットできました。
そして次の串はレバー。添えてあるのは普通の辛子ではなく、和辛子と中南米の黄色いチリを混ぜています。
レバーの柔らかい食感と、パンチがあるこのソースはよく合います。
一つ一つのお料理が順番に作られてるに見えますが、その食材によって作る順番が違うこともあります。
このレバーは、実は結構早くから火にかけてあって、ゆっくりとレバーの出番まで焼いていました。
小林さんはこのように順番を考えて、一番美味しい状態で食べられるように一皿ずつ出します。
レバーの次は、鶏肉も少し乗っている、さっぱりとしたサラダです。
こちらのサラダで使っているお野菜ももちろん「Omefarm」のものです。
サラダのお野菜はしっかりとした味で美味しかったのですが、一番衝撃的だったのが、横に添えてあるビーツピューレです。このピューレを合わせながら食べると二度楽しめます。
串に戻りまして……砂肝が出てきました。
大体たくさんの砂肝が串に刺されているイメージですが、うにかさんの砂肝は数は少なくても、通常よりは大きい物で、旨味も凄かったです。サラダのあとにはこういった歯応えがある物はぴったりです。
そして、最後の串物は大人気の鳥ももです。
コースを終えてから気付きましたが、焼鳥屋さんではよく先にももを頼むことが多いとも思います。
これまでのお食事を終えてからもも肉を食べることによって、旨味と肉厚な感じがより楽しめた気がします。
メニューのメインを飾るのは、この日のお肉料理、鴨肉のローストです。
串ではなく、ローストとして出すのは、中の肉汁をキープするためで、外はカリッと、中はジューシに出来上がりました。
鴨肉の旨味もしっかりと閉じ込められて、添えてあるお野菜とよく会う一品でした。
〆には、鶏ガラのスープと鶏そぼろご飯です。
このそぼろご飯は普通のそぼろご飯ではなくて、アジアンテイストのガパオ風でした。
鶏そぼろのスパイスとジャスミンライスの香りで、〆にはふさわしい飽きのこない味でした。
うずらの卵の目玉焼きを上に乗せることでかわいらしいお椀に!
最後にはデザートをいただきました。
今回は2種類のパンナコッタで、甘酸っぱいベリーが載っているものと、梅酒に漬けられたドラゴンフルーツの物でした。
最後の最後までこだわりを感じられるこの甘味で、美味しくコースを終えました。
楽しみ方色々
美味しいものを一番美味しい状態で出すからこそ、コースは魅力的だと思います。
デートの時でも友人とのお食事でも、一緒にいる人との会話を楽しみながら、お店の方にお食事を任せるとより美味しく、楽しく外食はできる気がします。
今回は通常コースをご紹介しましたが、新しくできたショートコースもあります。
ショートコースでは前菜、季節のお野菜と焼き鳥6本で、飲む前の軽いお食事にでも使えるコースで、リーズナブルなお値段です(約4000円)。
個人的に一番面白い楽しみ方は、ハシゴコースです。
うにかさんとomefarmkitchenさんの共同コースで、2階のomefarmkitchenでお野菜のタパスを軽く食べながら美味しいお酒も飲んで、その後、うにかさんのほうに移り、美味しい焼鳥などを楽しむのです。
2軒目を探す手間もなくなりますし、うにかさんのほうでお席のタイミングなどお知らせできますので、待たずに入ることができます。
「焼鳥うにか」で、新しい焼鳥の楽しみ方を体験してみませんか?
「焼鳥うにか」 営業時間:[昼]11:30~13:00(平日は昼も稼働!ランチは数量限定で早めになくなることもあります)[夜]18:00~21:00L.O 定休日:日曜日 スケジュールも変わることもありますのでぜひインスタ@yakitori_unicaをフォローしてご確認ください。 文・写真:ディニティ夏幸