【おとなの社会科見学・第5回】NAKAMURA TEA LIFE STORE

ものづくりの街・浅草橋〜蔵前エリアには、大人がワクワクするお店がたくさん。「浅草橋を歩く」では、気になるお店をとことん深堀する企画“おとなの社会科見学”を連載しています。

第○回目となる今回は、日本茶専門店「NAKAMURA TEA LIFE STORE」。忙しい現代人にこそ知ってほしい日本茶の魅力を、とことん掘り下げてみたいと思います。

茶葉の香り漂うスタイリッシュな日本茶専門店

やってきたのは、蔵前駅から徒歩約5分、浅草橋駅から徒歩約10分の場所にあるレンガ造りのお店。

近づいていくと、お店からはさわやかな茶葉の香りが。ここが今回ご紹介する日本茶専門店「NAKAMURA TEA LIFE STORE(ナカムラティーライフストア)」です。

茶葉の香りは、店頭にあるこの茶香炉から漂っていたものでした。一歩中へ入っていくと、その香りはさらに濃厚に。お茶の香りに包まれた瞬間、気持ちが和らいでいくのが分かりました。

カウンターには、店主である西形(にしかた)さんの姿が。

西形さんは日本茶の名産地・静岡県の出身。日本茶を知り尽くした西形さんに、お店のこだわりや日本茶のAtoZをあますことなく教えてもらいます。

こだわりにこだわりぬいた完全無農薬有機栽培の日本茶

「NAKAMURA TEA LIFE STORE」のメインラインナップは、静岡で100年以上続く老舗お茶農家「中村家」が栽培している日本茶。オーガニックになじみのない時代から完全無農薬・有機栽培製法を取り入れ、安心安全な日本茶を送り届けています。

製品に対するこだわりから、取り扱う製品は『いつ・どこで・だれが・どうやって』つくっているか詳細を表記。また、さまざまな産地の茶葉をブレンドして販売することが多い日本茶を産地ごとに別々に製造するなど、茶葉の特色を活かしたお茶づくりに取り組んでいます。

実は、西形さんは中村屋のご主人の同級生。以前より「いつか一緒に何かやろう」と話していたふたりの約束が実現し、このお店が生まれたのだそう。蔵前を選んだのは偶然だったそうですが、今はこの街が大好きだと話してくれました。

デザイナーとして活躍していた西形さんは自身の経歴を活かし、お店のビジュアルや製品のパッケージを手がけています。これまでの日本茶の概念を大きく覆すスタイリッシュなデザインは、若い世代や海外の人にも大好評。

日本茶界の間口を広げるための工夫がいたるところになされているのです。

カフェスペースを設けていないのも同店の特色。ここにも、西形さんたちの思いが込められています。

「お茶を水のように飲む静岡県民にとって、お茶はカフェなどの特別な空間で飲むものではなく、日常の中にあるもの。お客様にも、日々の生活の中で気軽に飲んでほしいので、製品の販売に力を注いでいます」(西形さん)

その代わり、カウンターでは試飲や簡単なレクチャーを実施。気になったものを実際に飲んで、なにを購入するか吟味することができます。

「茶葉の量は?」「お湯の温度は?」「おいしく入れるコツは?」どんな質問にも、西形さんは優しく丁寧に応えてくれます。西形さんの気さくな人柄も相まって、肩肘張らず、ラフに日本茶を知ることができるのもこのお店ならではの体験。

「日本茶は作法が難しいと思われる方も多いですが、そんなことは全くありません。自分のお好みの淹れ方で、自由に楽しんでくれることがなにより大事なんです」(西形さん)

店内には、初心者にも分かりやすいHOW TOボードも。このボードを参考にすれば、香りや甘み、渋みを、理想に近づけることができますね。

お話を聞きながら試飲させてもらったのは、2種類の緑茶。

ひとつは、3つある茶園の中で最も歴史ある産地である「Garden No.1」のポピュラーな煎茶、もうひとつが、同じ茶園で収穫の2週間前から遮光幕で覆い栽培したかぶせ茶です。

試飲してなにより驚いたのは、同じ緑茶でもまったく味が違うということ。煎茶はさっぱりと爽快感あふれる味わい、対してかぶせ茶はコクを感じる芳醇な風味を感じました。

飲み比べで茶葉の違いや特色をより鮮明に捉えることで、茶葉のセレクトもスムーズに行なうことができます。自分に合う茶葉をじっくり選んで、お気に入りのお茶を見つけてくださいね。

お茶に関するさまざまなイベントも開催。ワークショップや手揉みの実演を行ない、日本茶を深く知ってもらうための取り組みを多数行なっています。

イベントの詳細は公式SNSなどで告知しているので、ぜひ足を運んでみては?

普段使いにもプレゼントにも最適なラインナップ

ここからは「NAKAMURA TEA LIFE STORE」のこだわりが詰まったラインナップをご紹介。

日本茶とひとくくりにいっても、バリエーションはとっても豊か。産地や製造法によって、茶葉の魅力は大きく変化します。

お店をおとずれたらまずは、現在中村家が保有している3つの茶園の煎茶をチェック。
それぞれの茶園の土壌が味に反映し、個性あふれる味を楽しむことができるのだそう。

収穫時期によっても仕上がりが変わってくるので、おとずれる度に新たな風味に出合えます。

煎茶のほかにも、ほうじ茶や玄米茶、抹茶などが勢揃い。

ほうじ茶は一番茶を贅沢に使用、玄米茶は上質な国産品をブレンドするなど、どの製品にも老舗茶園ならではの技術と思いが込められています。

急須でお茶を淹れることを推奨している同店は、茶器のラインナップも充実。

ひとつひとつ手作りの急須は、サイズやデザインによって趣きががらりと変わります。実際に見て、触って・・・あなただけのオンリーワンをチョイスしてください。

お茶請けにぴったりのお菓子も販売。日本茶と相性ぴったりのポテトチップスや芋けんぴは、お茶会の手みやげにも喜ばれますね♪

8種類の茶葉・急須・湯呑み・ティースプーンがセットになった「ティーライフパック」は、結婚や引っ越し祝い、目上の方への贈り物にも最適。

お茶を淹れるためのアイテムがすべて揃っているので、すぐにおいしいお茶を楽しむことができる大人気のギフトセットです。

日本茶の明るい未来を見据えて

今後の目標を西形さんにうかがうと「とにかくもっとたくさんの日本茶を飲んでほしい」と、シンプルかつ力強い答えが返ってきました。

「コーヒーや紅茶の台頭で、日本茶の存在が薄くなっていたことは事実です。けれど、日本人にとって日本茶はもっともなじみ深く親しみある飲み物だとも思っている。だからこそ、飲み方のバリエーションを変えたり、季節やシチュエーションに応じた楽しみ方を提案したり、日本茶の可能性をどんどん提示していきたいですね。次世代にも日本茶の魅力を知ってもらい、お茶文化を受け継いでもらうことができれば嬉しいです」(西形さん)

日本茶を片手に過ごす日常

取材後、お店で購入した急須と茶葉を用い、お茶を淹れてみました。

茶葉の香り、お茶を注ぐ音、立ち上がる湯気、口の中に広がる甘みや心地よい苦み。五感で日本茶を楽しむ時間を過ごすと、日常がほんの少し特別なものに感じられます。

ほんの数分、お茶を飲んでぼんやりする時間を日々の中に設ける。親しい人たちと、お茶を飲みながら思う存分おしゃべりを楽しむ。そんな時間が、生活に華やぎをもたらしてくれるような気がしました。

リラックス効果や抗菌作用など、現代人に嬉しい効能がたくさん詰まった日本茶を飲んで、心身ともにリラックスしてくださいね。

スポット情報
店名:NAKAMURA TEA LIFE STORE

取材・文/牧 五百音
撮影/伊勢 新九朗