【閉店】浅草橋界隈では珍しい、ジビエにフォーカスを当てた鉄板ダイニング「獣 鉄板焼きtamaya」でダチョウ攻め!

浅草橋を主戦場とする私、トミタ37歳・バツイチ独身・職業 自由(フリー)デザイナー。

ほぼ毎日、真っピンクのチャリ・愛車フラミンゴにまたがり、この界隈をゆる〜く巡回しております、ハイ。

つい先日、ひと仕事終えて鼻歌まじりにチャリを漕いでいましたら、思わずキュッキュ〜っと急ブレーキ。

すごいお店を発見しまして……!

入り口付近に飾られた鹿のしゃれこうべ。

「獣」と書かれた印象的な看板。

ドスのきいた黒いエントランス etc……

ご存知の方も多いと思いますが、浅草橋駅周辺には比較的キャッチーな飲食店が密集。だが、しかし、中心地から少し外れるだけで、ディープな雰囲気が漂う個性的なお店がちらほら存在するのです。

その中でも僕にとって三本の指に入るほど、コチラのお店の印象は強烈でしたね(笑)。

小心者の私、「行ってみたい……けど、扉を開けた瞬間に強面男が出てきたらどうしよう……」と、お店の前を行ったり来たり。(←気持ちわかる! 編集部)

そこで思いついたのが、痛風により食事&アルコール制限を余儀なくされた編集長を半ば強引に引っ張り出し、取材という名目で同行してもらう。という何とも幼稚な作戦を決行!

道連れもできた、取材という大義名分もたった。

さ、満を持して、いざ出陣です!!!

外観とのギャップに驚くおしゃれな空間造り

まず、最初に声を大にして言いたい。

色々とギャップがすごい! ……とね(笑)。

入口を開け、まず飛び込んでくるデザインチェアと、センス良く貼られたタイルが印象的なカウンターには、フレンドリーに話しながら調理をする脱力系男子の姿(のちに店長だと判明……失礼しました)。

ふとテーブルに目を向ければ、あえて統一感を持たせないカラフルなお皿が並べられ、天井にはゲストを優しく照らす間接照明。

「和」とも「洋」ともいえないハイセンスな空間と心地よいテンションのBGM、ヤンチャな外観と見事に反比例する光景が広がります。

「……おいマジか……」

と困惑しながら、痛風編集長に合わせ、まずは生ビール 小で乾杯です。

一応、もう一度書きます、生ビール 小です。

お店によっては、このサイズで生中として出てきますよね?

そんな嬉しい誤算に喜びながらカラッカラの喉を潤し、前菜から本題のジビエ料理への道筋を吟味。

シェフが仕立てる、女性目線の鮮やかな前菜

兎にも角にも、まずは前菜!

私の持論ですが、「お店の人が推す肴にハズれなし」。(←当然じゃないの?w 編集部)

入店前まで一方通行にビビっておりましたが、店長がフレンドリーな方だと理解した途端に180度スタンスを変えて質問攻め。

すると、ある意味、想像通りのチョイ強面風シェフが奥から登場……。

一瞬、背筋を正しましたが、ここにも見事すぎるギャップ!!!

「どんな料理がお好みですか? メニューに書いてないモノもケッコーありますから」

↑ルックスから反する、脱力系口調(笑)。

編集長の体調などを考慮し、シェフが提案してくれたのがコチラです。

「デトックスサラダ」

名前通り、身体を浄化してくれそうな多品目サラダ。シェフ曰く、野菜の種類は決めず、旬野菜を使い、野菜の切り方や彩なども工夫して視覚でも楽しめるよう仕上げているとのこと。

今回は、鈴かぼちゃ・紅芯大根など使い、バルサミコ酢で仕上げるスタイルで。

「前菜5種盛」

個人的に酒を飲むときは「たくさんの料理を少しづつ食べたいの❤️」というワガママ女子風の37歳です。(←……。編集部)

そんな私にドンズバ(既に死語)であり、呑兵衛さんならこの一皿で完結できそうクオリティ。

  • スパニッシュオムレツ(左上)
  • ヤリイカをラオチューに漬け、燻製させたもの(左下)
  • ダチョウ(ヒレ)のたたき (真ん中)
  • ジャガイモの薄切りに山椒のパンチを効かせた中国古典料理(右上)
  • 豚耳の甘煮 八角風味(右下)

こちらのシェフ、料理人としてのルーツは中華らしく、今回の前菜盛や黒板メニューにもさり気なく反映されています。

しかも、我々がメニューを見ながら「ダチョウ! ダチョウ!」と話していたことに気づいてくれ、さり気なく、サラッとダチョウのたたきを加えてくれるという、何とも粋な気遣い.……シェフ、好きになっていいですか?(笑)

気になるお味はといいますと……。

うん、実にお酒がススム系! シェフ自身もお酒好きらしく、完全に酒を飲む前提の味付け。

「ダチョウのレバーのたたき」

ダチョウ童貞だった私にとって衝撃の一皿。

牛や鶏のレバーより旨味が強く、まったくクセがない。さらに一言つけ加えるなら、ほのかに甘い未体験な味わいです。

痛風の天敵であるレバーですが、編集長からも「くぅぅ……こりゃ旨い」の声が……(笑)。

お店で提供しているダチョウはすべて、お抱えの飼育・生肉・加工業者「西天城高原 たまや王国」が丹精込めて手がけた一級品。

鹿や猪も、地元の猟師さんと共に狩猟し、徹底した管理をしたモノだけを使っているのだとか。

真骨頂! ジビエの温菜連打

抜群のトーク力をもつ店長&シェフの御二人との会話も肴に、気がつけばグラスは空っぽ。

TAMAYAの真骨頂であるジビエに本格着手する前にワインをオーダーすることに。

「バロン・フィリップ シラー(フランス産 ミディアムボディ)」

ここ10年、本当に安くて美味しいワインが増えた。ということを再確認させてくれたワインですね。

だって、十二分に美味しくて、お値段2,500円!!!

のちにやってくるジビエと合わせても、決して負けない味に芯のある1本。とくれば、やはりワインありきの料理を連打!

「野菜のゴルゴンゾーラのチーズ焼き」

野菜の甘みを引き出すため、最初に蒸してから鉄板で香ばしさをまといます。

仕上げにたっぷりのゴルゴンゾーラをかけ、バーナーで炙ったら完成。

6種類の野菜とキノコを使っているのにもかかわらず、650円という価格にも衝撃!!

「自家製 鹿肉ソーセージ(70g)」

一般的な豚ソーセージとは別物。ハーブが程よく練りこんであるので、レバー同様臭みは一切なし。ですが、鹿独特の味が印象的で、完全にビールよりワインとのペアリングが吉。マスタードをつけず、ダイレクトに味わうのが私的にはオススメです。

遂にメインのステーキへ! 〆にはダチョウラーメン?

冷温菜を思う存分堪能し、ここで遂に大本命のステーキへと駒を進めます!

チョイスする獣は……

鹿……猪……馬……

やはり、ダチョウです。

心を躍らせながら調理風景を眺めていると、本当にテンションがアガる!!!

まず、200gの肉塊を鉄板で豪快に焼き上げます。

その時に鳴る旨音だけで酒が飲める気がするっ というか、飲める!

いや、飲みました(笑)。

続いて、蓋をして蒸し焼きに.……。

まだかまだかと待っていると、再び焼き、再び蒸し、常温で肉を休ませ、またまた再び焼く……。

焦らされるこの時間も、目の前で焼いてくれるライブ感たっぷりのカウンターだと非常に面白い!

ご来店の際は、カウンターをオススメします。

焼き加減はレアとミディアムの中間。

そして、素材に絶対の自信があるからこそ、味付けはあえて塩&胡椒のみ。

牛や豚とは違った甘さの肉汁と、程よい噛み応えのある肉質が印象的のダチョウ。

若干のクセを残し、なんとも玄人向けの逸品です。(←素人向けではないのかーい! 編集部)

ワインはもちろん、濃い口のビールと合わせても面白いかも。

また、こちらで使用している塩にも仕掛けがあり、素材と同様「西天城高原 たまや王国」が独自の配合でブレンドした代物。

ジビエのプロが、ジビエのために配合した塩。

そこに、確かな料理人の腕前が加われば、そりゃもう、旨いに決まってます!

数分後、すっかりステーキの味にメロメロな私の隣で、突然、編集長の目が輝きだしました。

瞳の先には、「ダチョウラーメン」なる文字。

ラーメンといえば鶏・豚・魚介などが一般的ですが、ダチョウとなると未知の領域。

コレは頼まずにはいられないでしょ〜!

「幻のダチョウラーメン」(写真はフルサイズを2皿に分けてくれたモノ)

スープはダチョウの骨からとり、その味は本当に上品な仕上がり。例えるなら、旨味の強い高級中華そば。

そこに、柚子胡椒を加えると、上品さに磨きがかかります。

コッテリ世代を卒業した、Over35の呑兵衛にはピッタリの〆ですね。

コレだけを求めてくる人も珍しくないほど、そのクオリティは専門店も顔負け。

ジビエの魅力をあらゆる角度から教えてくれる料理の数々。

間に挟む、シェフのセンスがキラリと光った鮮やかな料理。

コスパ抜群のお酒。

そして、フレンドリーな店長とシェフの面白いトークと居心地抜群の空間。

初来店から一人で行っても楽しめると思いますよ!

こんなフックの効いた面白いお店が存在する浅草橋……。

つくづく思います、本当に楽しい街だぜ!!!

画像は帰り際、編集長に盗撮された私と愛車。街で見かけた際は、遠慮なく絡んでください(笑)。

店長とシェフからも、「ピンクの自転車、よく乗れますね」とツッコミうけましたが……。

このお店の特長
居心地の良さ
(3.5)
のんびり度
(4.0)
おひとり様
(4.0)
長居度
(3.5)

店舗情報

  • 獣 鉄板焼 tamaya(タマヤ)
  • 東京都台東区浅草橋2-29-4
  • 11:30 – 13:30 / 17:00 – 27:00
  • 日祝日定休

文:トミタ キョーヘイ
写真:伊勢 新九朗

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